Episode 100
メルタと浮遊能力を得たアテナはキュバリル。
そして、襲来者達の日本本土への襲来を阻止するために交戦中。
二人は協力してキュバリルの動きを止める。
最終的に拘束しようと計画をしている。
しかし、今回の作戦が初陣であるアテナには入る隙が無いほど彼らの戦いは厳しいものとなる。
メルタとキュバリルが交戦を開始して一時間経過する。
(くっ……、これはキツい)
言葉や表情には表していないものの内側では彼女の力に少々歯を食いしばっていた。
彼女との戦闘中。
メルタは脳裏に彼女との戦闘が押されている要因を考えた。
そして、一つの理由を導く。
手は止めずに、彼女は口にする。
「もしかして、筋力増強剤を大量摂取した?」
「大当たり。けど、駄目ね。旧来型の薬品に対する思想は駄目ね」
二人相手に数が不利な状況の中も余裕を見せて戦う。
薬剤を使って筋力増強とともに軍隊式の強化訓練を行った。
彼女の肉体はどのような状況に陥れようとも応用できるよう、適合していった。
しかしキュバリルが口にした旧来型の薬品に対する考えへの批判。
その代償が彼女の肉体と精神に多大な影響を与えているということを目の当たりにしている。
「あなた。そんなにも大口を叩くけれども、さっきよりも動き。荒っぽくなってない?」
「そっそ、そんな訳……ぐっ」
メルタの言った通り、彼女の動きは先ほどよりも動きに微妙なずれが発生している。
アテナにもそのことがよく分かる。
また、狙っているメルタの部位は先ほどよりも場所が外れている。
「はっ……はっ……はっ……」
キュバリルの息も次第に荒くなってきた。
筋肉増強剤を摂取した代償として精神病を進行させる作用により、次第にキュバリルは自我を忘れしまうという。
目を開いていながらもうっすら見える幻覚。
そこにはキュバリル自身の記憶に埋め込まれているかすかな思い出。
家族の顔だった。
目尻から一滴の涙が流れる。
「ここで……、負けてなんて……いられない……」
そして、目の前にいるメルタに向かう。
彼女の攻撃を軽々と受け止める。
しかし、終わりが見えない戦いに思えたアテナは彼女に問いかける。
「一体どうすれば?」
「彼女戦闘スタイルが崩れてきているけど、彼女の動きを止めて拘束するしかない」
メルタの速い刃物と格闘技と黒い霧を使った攻撃をするキュバリル。
基本的な攻撃スタイルは崩れた。
しぶとい相手に拘束まで持って行く方法を模索している。
同時刻。
第二輸送艦・艦上。
Aチーム、Bチームの二つ分かれて乗船する陰光大学教育学部付属陰光中学・生徒達。
メルタとアテナは先に上空に飛んで戦闘に参加している。
また参加する船の護衛を詰めているマリンも魔法少女のように乗船した時とは違う服装になっている。
ミツキ達はまだ力を発動できずに艦上に留まっている。
下からアテナ達の戦況を見ている状況にもどかしく感じていた。
その間に続々と敵の増員行っていた。
海上に待機している船や本土に敵が近づいてくる。
海軍はプライドにかけて何もするわけにはいかないと思う。
主砲・副砲による攻撃をする。
しかし全く効いていない。
騒々しい状況に困惑する生徒達。
その中、ミツキは一人目をつぶる。
脳中へ石の内部構造や自身の鉱石についての性質などの情報が流れてくる。
それは鉱石に備わる力のイメージを表した色。
攻撃スタイルのシルエットとして表された人の動き。
言葉では表さないものでありながら、ミツキには映像のように頭に流れて入ってくる取扱説明書を熟読する。
「そうっか……」
一度下を向く。そして上を見上げた。
ミツキは五歩前に歩み出る。
「どうしたの? ミツキちゃん」
サーカが彼女に聞くが、何も言わず、振り向かずに行く。
ミツキは足を止め並べる。
右手を空に掲げ、空気を吸った。
「Äußern! ‼」
鉱石が輝きを放つ。
手のひらから業火から現れる。
激しく輝く炎の中から剣が出現する。
剣は西洋式の製法で作られる。
ミツキは手に取る。
じっくりと上から下。後ろまで剣を見つめる。
そして一回横向きに剣を振る。
ほどよい重さに剣を持ち直す。
「行こう!」
ミツキは上を見上げ、彼女の足が船を後にする。
目指すはアテナとメルタが交戦地。
しかしその道中には多くの小物生物がやってくる。
ミツキの道を阻む敵は見た数で百近くいた。
上空を進む高度を上げながら、左回転に体を回す。
右手に持った剣を最も外側に出す。
そのままの態勢で生物の集合体に突入していく。
集団には明るい火が生物達を無残にも焦がしていく。
小さな棘のようにミツキが集団に入って行った。
与えられた能力の作用により炎が放射し集まって来た敵を倒していく。
ミツキは止まらず彼女達の元へ突き進む。
「急いで、先生。アテナの元へ」




