Episode 10
ミツキは目指す部活について聞く。
陰光大学教育学部付属陰光中学は勉強の他に芸術・運動分野の部活など並行して生活をする生徒が多い。
その数は八割に超える。
残り二割は活動の多い生徒会役員と委員会。
また外部クラブで活動している生徒のみ。
一週間の活動は部活によって一回から三回。
ミツキが所属する女子ソフトボール部は一週間に多くて五回ある。
周囲の話を聞く限り、創部を目指す部活は芸術系の部活に属する。
二人は活動系統とアイディアを元にして募集ポスター、チラシを作る。
パソコンと向かい合って、ミツキは不慣れなキーボードをタイプする。
「アテナ、ポスターとチラシのイラスト。デザインは同じものにする?」
ミツキはラフとして出したいくつかのアイディアを提示する。
「そうだね。この時期に時間をかけていると、入部が難しいかもしれない。あと、イラストも描いてみたから見てくれる?」
「OK! 任せた。うん、いいと思う」
数日後。アテナは担当の先生から廊下にポスターの掲載許可をもらい、早々に貼った。
四月も終わりにかけており、他の部活による募集ポスターは無い。
色合いにこだわったポスターは廊下を歩いている生徒達に見やすい位置に貼る。
・・・・・・
【ポスターの情報】
部員を募集中‼
部活名:未定
活動内容:自分の持つ世界を音楽、イラスト、 映像などで表現する事。
部長:アテナ・ヴァルツコップ(予定)中学一年い組
気になる方は、一年い組 アテナまでよろしくお願いします。
もちろん、兼任で活動するのも歓迎します‼
・・・・・・
「よし、できた!」
「改めて自分の名前を大々的に出してしまうと、ちょっと不安になってきてしまった」
二人は完成したポスターとイラストを広げて見る。
目を合わせあう。
しかし、アテナは今後の段階について不安を感じる。
「大丈夫。私も部員だから助けるよ」
「ありがとう、アテナ」
掲示作業を終えてから、数日後。
「うわぁ~~、こーなーい―!」
「まぁ。まだ始まったばかりだし、長い目で見ようよ」
「なんか、あそこまで私が活動したせいで、私が悪目立ちしてないか心配だよ」
協力してくれたミツキが自分の力不足によって、自分の心配をする。
「そんな事ないわ」
「えっ!?」
席の近くからミツキとは違う声がした。
その方向を見てみれば、目の前にはい組のルーム長。エレン・クピードー・ジョンソンがいた。
「アテナさん、聞きたい事があるの」
彼女の真っ直ぐな目を向ける。
彼女の表情にアテナは鼓動が大きくなっていく。




