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誤字報告いつもありがとうございます。

 従業員となった彼女達に魔獣の世話の仕方を一通り教えていると、お昼頃カイが戻って来た。


 両足に一匹ずつ、そしてなんと口にも一匹咥えている。


「カイ、お疲れ様。ちょうど良かった。お昼にしましょう」


 昨夜、彼女達に色々と煽られたこともあり、まだ少し恥ずかしくて顔を合わせ辛い。それを何とか押し殺して普通に接っしている...つもりではあるのだが、やはりまだどことなくぎごちない。


 山道を塞いだ時、二人っきりではあったが、仕事だと割り切っていれば、緊張感もあったし何とかなった。だがこうしてフッと緊張が途切れた時などは、表面に出てしまうもので、それを敏感に感じ取ったカイは、


「エリス、なんかあった?」


「べべべ別に、ななな何もないわよ?」


 動揺し過ぎである。それを彼女達はニマニマとしながら見守っていた。


「そ、そう? ならいいんだけど...」


「そ、それより午後から町長さんの所に行きたいの。飛んで貰える?」


「あぁ、いいよ」


 そして彼女達の生暖かい視線に見送られながら街へ向かう二人であった。



◇◇◇



「ついに作戦スタートですか」


「えぇ、早ければ今日、遅くとも明日には山道を塞いだことが伝わるでしょう。すると食糧を求めるなら街に来るしか無いので、強行突入しようとするでしょう。その場合は私の名前を出しても構いません」


「それで退くでしょうか?」


「退かなければ私が直接顔を出します。まさか私の顔くらいは覚えているでしょう」


 エリスは苦笑した。


「明日は芋類の出荷第一号を持って来る予定なので、念のため私は明日一日街に居ることにします」


「ありがとうございます。本当に助かります。それとお礼が遅くなりましたが、酪農家の皆さんからも柵を新たに作って頂き、とても助かっているとの報告がありました。合わせてお礼申し上げます」


「役に立って何よりです。それとお礼は必要無いですよ。領主として当然のことをしただけです。他に困っていることはありませんか?」


「そうですね...困っていると言いますか、例の成長促進剤を自分達も使いたいと言ってくる農家の方が多く居るというくらいですかね」


「あぁ、そんなことですか。はい、どうぞ?」


 そう言ってエリスは、成長促進剤の入った瓶をポンポンとストレージから取り出す。町長は目を丸くして、


「よ、よろしいのですか、こんなに...」


「えぇ、いくらでもありますから、足りなくなったら言って下さい」


「ありがとうございます。本当にエリス様には足を向けて寝れません...」


「アハハ、そんな大袈裟な。では明日、出荷品を持って来ますんで、中央広場に人を集めておいて下さいね」


「畏まりました」


 明日、いよいよ奴らと直接対峙することになるだろう。エリスは気を引き締めた。

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