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飼うんです

誤字報告いつもありがとうございます。

 まずエリスは彼女達の職歴を確認した。


「あなた達は実家のお手伝いをずっとやっていたの?」


「はい、私とヒメの家はともに居酒屋で、スズの家は八百屋、ランの家は花屋です。そこでずっと働いてました」


 ユリが代表して答える。


「なるほど。今お願いしたいと思ってるのは、家畜の世話と畑仕事なんだけど。どう? 出来そう?」


 四人は顔を見合わせて頷いた。


「やります。やらせて下さい」


「ん、よろしい。ところでカイ?」


 いきなり振られたカイはビックリした。


「な、なに!?」


「山の中で魔獣の子供を捕まえることは出来そう?」


「魔獣の子供?」


 カイは首を捻る。


「そう、この間、魔獣を沢山間引きしたでしょ? あれは全部大人の魔獣だったから、子供の魔獣は残ってるはずなのよ。もっとも親が死んで生きていられたらの話だけど」


「う~ん...多分、出来ると思うけど、捕まえてどうするのさ?」


「もちろん飼育するのよ。魔獣牧場でね」


「「「「 えぇっ~~~! 」」」」


 全員の驚愕の声が見事に被った。


「あ、あの家畜って魔獣のことだったんですか? そ、そもそも魔獣って飼えるものなんですか?」


「普通に飼えるわよ? 特に子供の時から飼っていれば人にも良く懐くし」


「「「「 えぇっ~~~! 」」」」


 またも被った。


「仲良いわね、あなた達...」


「いやいや、魔獣を飼うなんて聞いたことありませんよ!?」


 ユリの言葉に全員が頷く。


「あら? 私の領地では普通に飼ってたわよ? 確かに魔獣を飼うのはリスクを伴うけど、その分リターンが大きいから、お勧めなのよ?」


「その...リスクというのは?...」


 ユリが恐る恐る尋ねる


「知っての通り、魔獣と普通の獣のと違いは、体内に魔力を持っているかいないか。魔力を持っているから魔獣は魔法を使ってきたり、体に魔力を纏って攻撃してきたりするけど、それさえ防げれば普通の獣と変わらないのよ? それにね、魔獣は自分の魔力で足りない栄養を賄ったりすることが出来るから、餌も少なくて済むのよ。お得でしょ?」


「いやいや、私達も一般人ですから、魔力も無ければ魔法も使えませんけど!? 魔獣の攻撃なんて防げませんけど!?」


「大丈夫よ。#付与__エンチャント__#」するから」


「付与ですか?...」


「えぇ、魔法防御と体力強化を付与するわ。これなら魔獣に攻撃されても怖くないでしょ? それにさっきも言ったけど、子供の時から飼っていれば人に馴れるから、そうそう攻撃してこなくなるわよ?」


「......」


 四人は押し黙ってしまった。自分達はとんでもない所で働かされるのではないか? そう思って恐々としていた。


「ねぇ、そんな深刻そうな顔しないで? 無理強いするつもりはないから。他にも仕事はあるし、どうしても無理だと思ったら遠慮無く言ってくれて構わないから」


 エリスがそう言うと、四人の顔から少し恐れが消えた。


「とにかく一度やってみない? それからまた考えようよ?」


 四人はまた顔を見合わせた。そして、


「分かりました。よろしくお願いします」


 ユリが代表して言った。


「うん、こちらこそ。それじゃあカイ、魔獣の子供の捕獲をよろしくね」


「はぁ...分かったよ...それで捕まえる魔獣の種類は?」


「う~ん、最初は扱いやすいホーンラビットかワイルドボアあたりがいいかな」


「ウサギにイノシシね。了解」


「あ、あと魔獣じゃないけど、野生の鶏が居たら捕まえて?」


「鶏も飼うの?」


「うん、卵が食べたいから」


「あぁ、そういうこと。分かった」


「お願いね。私は彼女達の引っ越しの手伝いするから」


「分かった...って、ちょっと待って! さっきから聞こうと思ってたんだけど、エリスは一緒に来てくれないの!?」


「えぇ、私が乗ってたら邪魔でしょ?」


「それじゃあ捕まえた魔獣はどうするのさ!? ストレージに入れるんじゃないの!?」


「私のストレージ、生きているものは入れられないのよね。だから面倒でも一匹ずつ運んで?」


「そんなぁ~!」


 カイの悲痛な叫びが木霊する。





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