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追い出されました

新連載となります。

よろしくお願いします。

「貴様のような淫売を屋敷に上げる訳にはいかん! このまま出て行ってもらおうか!」



 王都から一ヶ月も旅をして、遥々辺境の地まで嫁いで来た嫁に対する夫の最初の一言がこれである。挨拶することすら無かった。エリスはため息を一つ吐いて応える。


「家に入るなとの仰せですが、では私はどこで暮らせば良いのでしょうか?」


 すると夫はニヤニヤと嫌らしく笑いながら、


「フンッ、淫売なんだから娼婦のように腰を振って、そこら辺の男をタラシ込めばいいだろう! そういうのは得意なんじゃないか?」


 と言い捨てた。クズである。


「私の嫁入り道具が先に届いていたと思いますが?」


「あぁ、あれか。心配するな。結納金代わりに売り払っておいてやったぞ! 大した金にはならんかったがな!」


「私の私物を勝手に売り払ったと?」


「そう言ってるだろう! なにか文句でもあるのか?」


 文句しかないのだが。そもそも結納金ならたっぷりと支払っている。元々、困窮している辺境伯家が子爵家でありながら裕福な我が家に、金銭援助を求めて来て結んだ縁談である。頭を下げろとは言わないが、ここまで理不尽な扱いを受ける謂れは無い。


「そうすると婚姻関係を継続することは出来無いと思いますが、白い結婚をお望みで?」


「白い結婚だと? 笑わせるな! 貴様のような淫売のどこが白いって言うんだ! 俺にとっては貴様と結婚するということ自体が汚点だ! 言うなれば黒い結婚だな!」


 上手いことを言ったように得意気な夫をエリスは冷めた目で見下ろした。


「黒い結婚ですか...」


「そうだ! さあ、分かったらとっとと出て行け!」


 こうしてエリスは結婚初日にいきなり婚家から追い出された。


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