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異能夜行戦争  作者: シロさんズ
始まりと開戦
3/3

界斗の帰郷と日常・2

 学校に着いてから、すぐに教室を探し、教室――2年A組――に向かった。


 途中で光は、1年の教室へ一つ会釈してから向かい、俺達は軽く手を挙げて教室へ行き、雷は入っていった。俺は教室の外で、ホームルームが始まるのを待っていた。


「ふ~」


 雷の安堵のため息が、教室の外にも関わらず聞こえた。


 それから雑談の声が二分間ほどあり、チャイムの音が聞こえたと同時に、担当の先生が入っていった。


「席に就け、ホームルームを始めるぞ」


 ガタガタガタガタと全員が座ったのを見て、


「じゃあ、まずは転入生がいるのは全員覚えているな。では、入ってもらう」


 大きく息を吸い、扉を開けると、


『うおおおおおおおおおおお!!!』

『きゃああああああああああ!!!』


 野太い雄叫びと黄色い歓声が上がった。先生は、それを見て微笑みを顔にあげている。


 正直、驚いていた。何せ、覚えている皆に少しも変わっていないからだ。因みに、雷は雄叫びに混じって、叫んでいた。


「そこまでだ。全員、名前は覚えているな。よし、お前の席は窓際の一番奥だ」


 しばらくして、先生が制止して俺の席を指差した。


「久しぶり、界斗。あと、よろしく」


 隣の席の、知り合いの森宮優香が挨拶をしてきたので、返事をしてから席に座った。



 ◇



「はぁはぁ、あー疲れた」


 今は、学校が終わった帰りだ。今日は始業式が大体で、後は連絡事項やその他諸々少しあって、その後は、

 帰りだけなので、今は追いかけられていたのをまいた後だ。


 なぜ、追いかけられていたのかは、俺が帰ってきたからだ。この町には、学校が各々一つ二つしかないのに、全員積極的だからお互い仲が良い者同士が集まりやすい。だからこそ、感情表現が激しいので、俺の帰郷を全力で喜んでいるのだ。


 因みに、雷や優香などの特に仲が良い奴らは、明日の放課後に付き合って、との事だ。


「ただいまー」


「おかえりー」


 家に帰ると、居たのは未来姉さんだけだったので、


「あれ、皆は?」


「光と愛と悠はもうすぐ帰るって。それと、春斗と鋼太郎は最後の仕上げに入るんだーって、言っていたからなぁ~。遅くなるんじゃないの?」


 首を少し傾けながら、そう言った。


 最後の仕上げ、か。本当に迷惑をかけちゃてるな。そう思っていたら、


「ただいま」


「ただいま帰りました」


「たっだいま~」


 光と愛と悠が帰ってきた。


「おかえり」


「おかえり~」


 そう言って、俺は自分の部屋に戻って着替えてから、リビングへと向かった。


 途中、悠が部屋に飛び込んで来て、驚いて倒れた俺に、悠が滑ってしまって、俺と悠がキスをしてしまうトラブルがあったが、まあこれがいつも通りだよな、と俺は割り切ってしまった。



 ◇



「ぼ~」


 っと、悠が半分以上放心状態になっていた。心なしか、顔が赤いような気がする。


 しかし、俺はそれを指摘せず、無視して夕食を食べていた。


「ごちそうさまでした」


 そのまま食べ終わると、食器を片付けて、ひそひそと喋っている光と愛に、こちらを見つめて心配している未来姉さんを横目に、二階の自室に入っていった。


 150cmぐらいのケースを開け、中から太刀を取り出し、持ったままベットへ飛び込んだ。


「ふう」


 夜が近くなっていくにつれて、全身が緊張していくのが感じる。


『そう緊張していたら何もできねーぞ』


 すると、いきなり太刀から荒々しい、男性か女性の中間ぐらいの声で、頭に直接響くように言ってきた。


『もっとリラックスしねーとな』


『そうよ、もっとリラックスして』


「わかったよ、二人共」


 もう一つ、今度は内側からの声がして、俺は内心驚きながら、二つの声に頷いた。


 太刀からの声は、太刀に宿る自我からの念話。


 そしてもう一つの声は、俺の中に宿るもう一つの魂、夕空鈴音だ。


 彼女の声を聴くたび、罪悪感と自身への無力感があふれ出してくる。


『ごめんなさい。でも、今はこれが一番だと思ったから』


「うん。分かっている」


 彼女は俺の緊張感から少し目を逸らす為に喋ったんだ。責める権利なんて、誰にも無い。


 そして俺は深呼吸をして、緊張感を和らげた。



 ◇




 日が変わる直前に、俺は真っ黒のフード付きのコートを着て、同じ色の靴を履き家の屋根上に立っていた。


『始まるぞ。5、4、』


 太刀が残りの秒を読み始めた時、俺は腰を下げながら、いつでも抜刀出来るように構えた。


『3、2、1―――』


 日が変わったと同時に鐘の音が聞こえた。




一ヶ月に一、二回投稿するようにします。

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