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異能夜行戦争  作者: シロさんズ
始まりと開戦
2/3

界斗の帰郷と日常・1

二話目、投稿です!


 朝早くに俺は起きた。


「ふあぁ」


 少ししか寝ていないからか、まだ濃い眠気があった。


 それでも俺は身体を起こし、クローゼットから制服を出して着替えを始めて、鞄を持ち一階へ階段を降りていった。


「あれ、もう起きちゃたの?」


 リビングには、未来姉さんだけがいた。


「ああ、うん。あっちでの習慣が抜けきらなくて」


「早く抜いた方がいいよ。ほら、あれがあるんだし」


 未来姉さんが周りをきょろきょろしながら、そう答えた。今日の夜から始まる事に思いを向けると、憂鬱さが内心あふれ出し、無意識にため息をはいてしまった。


「えっと、ごめんね」


「あ、いやいいんだよ」


 未来姉さんに気を遣わせてしまった。次からは気を付けよう。


 心の中でそう決めていた時、


「あれ、兄ちゃんじゃん」


「お兄様、おはようございます。それと、お久しぶりです」


「お兄ちゃんだ~」


 金髪のポニーテールの美少女に黒髪が腰まである美少女、そして黒髪が肩下まである美少女が俺を見つけて、驚愕と喜びに包まれた顔で挨拶してきた。


 天崎光。

 天崎愛。

 天崎悠。


 俺の妹達だ。光は、一つ年下である、今年高校一年生になる子だ。金髪のポニーテールが目立つギャルでもある。愛と悠は、六つ下である、双子の姉妹で愛が上で悠が下だ。


「三人とも、おはよう」


「ってか、いつ帰って来たの⁉」


「深夜だよ」


 光の問いに答えたのだが、三人とも答えを聞いてから、急に深刻な表情になった。それを見て、頭の上に疑問符が出ているのを、未来姉さんが見て、肩を竦めながら教えてくれた。


「三人とも、界斗の事を心配しているんだよ」


「ああ」


 納得。俺は少し鈍感だからな(自覚しているしている分余計に、だと思うが)。未来姉さんによく教えてもらっている。


 多分、深夜だからだろう。大丈夫なのにな。


「おはよ~。ん?界斗帰ってたのか」


「春兄ぃか。おはよう」


 茶髪のイケメンがのらりくらりと障子から出てきた。


 天崎春斗。

 三つ年上の兄だ。茶髪にイケメンとこの町で、有名な人だ。


「む、帰っていたのか」


 春兄ぃと雑談していると、障子から大柄な筋肉質の男性が現れた。


「はい、おはようございます、父上。それと、お久しぶりです」


 その返事に、男性はゆっくりと頷いた。


 天崎鋼太郎。

 天崎家の当主であり、俺たちの父親だ。


「これで、全員。揃ったね」


 未来姉さんがそう言って、家族全員を見渡した。春兄ぃが一つ「こほん」とわざとらしく咳払いをして、


「では、俺が代表して、改めて






 お帰り、界斗」




 ◇




 その後、未来姉さんが作った朝食を、食べた後に悠の髪型をツインテールにして、


「「「「行ってきます」」」」


 光、愛、悠、俺で学校まで歩き始めた。


 愛と悠は小学生で、光と俺は高校生だが、高等学校へ行く道の途中に中学校と小学校があるので、途中までは、一緒だ。


「小学校が見えてきました」


「じゃあ、ここで一旦お別れだね。帰りでね、二人共」


「ああ、じゃあな」


 愛と悠が小学校へ向かい、俺と光が学校へまた歩き始める。


 しばらくすると、


「よう、元気していたか」


 金髪の男子が横から声を掛けてきた。


 倉内雷之介。

 近くの神社の寺息子だ。俺の幼馴染であり、親友でもある。

 あだ名は、雷だ。


 俺は苦笑しながら、


「勿論。ってかお前、俺の所によく来ていたろ」


「えっ」


「ははは、まあな。お前がどうしているか、気になっちまったんだよ」


 雷は、よく俺のが居た家によく来ていて、俺の息抜きによく付き合ってくれていた。


「ちょ、ちょっと待って」


「「ん?」」


「雷先輩、兄ちゃんの所に行っていたんですか!?」


「「だから、そう言っているだろう」」


「こういう時に声合わせないで」


 どうしたんだろう。俺と雷は、顔を合わせて一緒に首を傾げた。それを見た光は、「はあぁ」とため息をついて、


「先輩達に言いますよ」


「すみませんでしたああああああ!!!」


 雷が目に見えない速さで土下座したので、思わず驚いてしまった。


「手綱を握られているんだな」


「いや、正確に言えばあいつらだな」


 訂正しても、同じだろう。そう言うと、「ハハッ」と虚ろな瞳で言った。


「おおーい。ああ、ダメだこりゃ」


「ちょっと待って、早く行かないと遅刻する」


「いくぞおおおおおお!!!」


「「あっ、復活した」」


 雷が勢い良く立ち上がり、叫んだのでそれに、反射的に反応した。


 雷はそのまま学校の方へ走っていくので、俺達は顔を見合わせて肩を竦めながら、


「待てよ、雷!」


「待ってくださ~~い」


 俺達はその後ろ姿を目で追いながら、一緒に走って行った。


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