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短編集 魔王達の苦労  作者: れっさー
第2章 ゴブリン王編
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第9話 捕らわれの魔法使い(ゴブリン王編第2話)

 意気揚々とゴブリン魔王の居城に乗り込んだ私達は、魔王に敗れた。

 私は、勇者や戦士、神官達と離され、たった一人で魔王城の地下牢に捕らわれている。

 超極大魔法を放てる勇者の杖も、勇者のローブも取り上げられ、私は両手両足に鎖の枷を嵌められている。どうやらオリハルコン合金の鎖で、魔法封じの呪いがかかっているみたい。

 その上私は鎖のついた首輪を嵌められ、肌着の上下一枚という恥ずかしい姿で冷たい地下牢の石床に座らされていた。

 牢の外には、醜いゴブリンの牢番が3匹、ゴブゴブと言いながらこっちを見ている。

 きっと私はこれから、アイツ等に(ビー)なことや(ビー)なことをされてしまうんだわ。

 屈辱と羞恥に、顔が火照る。

(負けるもんですか・・・)

 例えこの身は(ビー)されても、心までは(ビー)されない!

 そう決意して牢番を睨むと、ゴブリンたちはビクッとして牢の前から後ずさった。

(何ビビッてんのよ。これだからオトコってイヤなのよ・・・。)

 そう思っていると、地下牢の入り口が開いて、女性が2人入ってきた。

 2人とも、魔王の玉座に立ってた人と同じ様に緑の肌をしているけど、とても美人さんだった。わたしから見てもぼんきゅっぼんな身体が魅力的。やっぱり鎖の付いた黒い首輪をしている。

 きっと奴隷にされた人なんだわ・・・。

 あんなキレイな人をさらってくるなんて、やっぱりコイツラ皆殺しにすべきね。

「ゴブゴブ・・・」

「ゴブ、ゴブ、ゴブゴブ・・・」

 私が独り心の中で怒りを燃やしている間に、その2人は牢番のゴブリンと何かを話していた。話が終わると、牢番のゴブリンたちはどこかに行ってしまった。

 カチャカチャ、ギイィ。

 美人な2人のうちの片方が牢を開け、「出てきなさい」と手招きする。

 いよいよ、ヤリ部屋に連れていかれるのね・・・。

 抵抗しても無駄だけど、せめて誇りをもって歩こうと、私は胸を張って牢を出る。

 けれど、足が震えて上手く歩けない。

 私の精一杯の強がりがわかるのか、2人が憐れみを帯びた目で私を見る。

 1人が、私を支えるように手を取る。

 私は、2人に連れられて牢屋を出て魔王城の中を歩いた。

 連れていかれた先の部屋には、こう書かれていた。

~大浴場 ゴブリンの湯♨ 「女」~


次回予告

 魔法使いが連れていかれた先は「大浴場」!

 つまり次回はおフロ回? 魔法使いの入浴シーンが見れちゃうのか?

 2人の美人さんは入らないのか? タオルで隠す? 湯気で誤魔化す?

 それとも流行りの透過光か? 15禁(レギュレーション)は守れるのか?

 次回! ゴブリン王編 第3話。「女の子はキレイでいなきゃ」 お楽しみに!



(つづく)

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