第8話 再び勇者がやって来た!(ゴブリン王編第1話)
「ゴブリンの魔王! 今日こそ貴様の最後だ!」
俺達選ばれし勇者一行は、魔の森の奥深くにある、魔王の居城に乗り込んだ。
ここは魔王城の謁見室。人々を苦しめるゴブリンの魔王は、その身体を玉座に座らせている。ゴブリンだけあって、120センチくらいの身長だ。
「ゴブ? ゴブゴブ?」
ゴブリン語だろうか? なにやらゴブゴブ言っているが何を言っているかわからない。
「何言ってるのよ! わかんないじゃないの!」
魔法使いが金切り声を上げる。魔物の王である魔王にそんなこと言っても始まらないのに。相変わらずタカビーな女だ。
「この色魔! さらった娘たちを返しなさい!」
神官がゴミムシでも見るような冷たい目でゴブリン王を睨む。
たれ目丸顔で普段笑顔を絶やさない聖女みたいな神官だけど、怒るとこえーんだ。オレ、シッテル。
「ゴブ、ゴブゴブゴブゴブ・・・」
魔王が何か言いつつ、左手に持った鎖を鳴らす。ジャランと鳴った鎖の先は、玉座の隣に立つ女性の首輪へと繋がっている。肌の色こそゴブリン魔王と同じ濃い緑色だけど、とても美人だ。モデルみたいにすらっとしてる。
きっと攫われて、奴隷にされたのだろう。うらやま・・・じゃなくて許せない!
「ええい、問答無用だ! 魔王! 覚悟しろ!」
俺の隣に立つ戦士が、いきり立つように叫ぶ。
俺達は、それぞれ勇者の剣、勇者のヤリ、勇者の杖、勇者の錫杖を構え、ゴブリンの魔王を斃そうと一歩踏み出す。
「ゴブ・・・」
めんどくさそうに振られた右手の一振りで、俺達勇者一行は全滅した。
次回予告
魔王に敗れた勇者一行。捕まった魔法使いはどうなってしまうのか? ゴブリンだけにあーんなコトやこーんなコトをされて、闇墜ちしてしまうのか?
ノク●ーンノベルズ待ったなし!
次回! ゴブリン王編 第2話。「捕らわれの魔法使い」 お楽しみに!
(つづく)