第5話 爆弾発言
「どうやら、余が魔王などではないとわかってくれたようだな。」
((((コクコク))))
穏やかに話すエルフ王に俺達4人はうなずくしかなかった。
「で、これからどうするのだ? お前たちは。」
「「「「え?」」」」
突然エルフ王から聞かれ、俺達は何のことかわからず首をかしげる。
「今の余の話を聞いて、それでもニンゲンの勇者として我と闘うのか?」
「・・・そんなの、できないわ。エルフ王さん、悪いエルフじゃないんだもの。」
魔法使いが、伏し目がちに答える。いつも強気で高慢お嬢様な魔法使いが“しおらしい”なんて、これがギャップ萌えか?
「今更ニンゲンの国には帰れんだろう? ニンゲンの王になんと説明するのだ?」
エルフ王が厳しい現実を突き付けてくる。え? 俺達ニンゲンの国に帰れないの?
「いえ、きちんとお話すれば、教皇様だってわかってくださいます!」
神官がそう言って魔王、じゃなくてエルフ王に反論する。そうだ、神官、そのとおり。エライ人だって大人なんだから話せばわかってくれるハズ。
「・・・(フッ)、甘いな、いや幼いなと言うべきか。ニンゲンの王も教皇もそんなコトは最初から知っているぞ。」
エルフ王が神官の反論にダメ出しする。え、王様も教皇様もエルフ王が魔王じゃないって知っているの? 知ってて俺達に魔王を斃せって命令したの?
「だいたい、お前たちこの世界の者ではないだろう?」
エルフ王はとんでもないことを俺達に告げた。
(つづく)