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短編集 魔王達の苦労  作者: れっさー
第1章 エルフ王編
4/18

第4話 義はどこにあり?

「・・・で。でも、開拓団に魔物をけしかけて次々と皆殺しにしたって聞いてます!」

 神官が勇気をふりしぼってエルフ王に詰め寄る。

 そうだよ、開拓がんばってる農民を殺しちゃいけないよな。

「開拓団、ねぇ。お嬢ちゃん、ソイツ等、ドコを開拓していたと思う?」

 エルフ王は冷めた目で神官を見る。

「・・・え?」

 ピンとこないのか、神官が首をかしげる。

「森だよ、も・り。開拓って、森を切り開くんだよ! エルフ(我ら)が住んでる森を!」

 少し切れ気味にエルフ王が言う。

「・・・、あ~、その、えっとぉ・・・」

 言いよどむ神官。

「だいたい、森に住んでいるのは我らエルフだけではない。」

 落ち着いたのか、少し穏やかな声でエルフ王が続ける。さすが400歳オーバー。大人だ。

「ゴブリンだろ、オークだろ、それに森猪やオオツノシカとか、フォレストスパイダーとか、トゲダンゴムシとか、森にはいろんな生き物が住んでいるのだぞ。お前たち、そんなコトも知らんのか。」

「「「「・・・・」」」」

 エルフ王の口調はあくまで穏やかだ。それが余計に、俺達の心をエグる。

「弱肉強食ではあるが、様々な種族がそれなりに平和に暮らしていたところに、いきなりニンゲンに火を放たれて焼け出されてみろ。魔物だって総出で襲い掛かるだろ、常識的に考えて。」

((((仰る通りです!))))

 やっぱり俺達は、何も言えなかった。



(つづく)

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