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短編集 魔王達の苦労  作者: れっさー
第1章 エルフ王編
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第2話 捕らわれの勇者達


 意気揚々と魔王城に乗り込んだ(勇者)達4人は、あっさり捕まってしまった。

 4人が持っていた勇者の武器シリーズも、勇者の防具も取り上げられ、俺達は『村人の服』を着せられて魔王城の一室に閉じ込められている。

 4人とも両手両足は鎖につながれている。・・・この鎖、ミスリルとオリハルコンの合金でできている? Lv(レベル)ダウンやMP(魔法)封じのルーンが彫られていて、俺達は勇者のチカラが出せない。

「ふぇぇ・・・。私達、どうなっちゃうのぉ・・・」

 魔法使いが力なくつぶやく。

「さぁさ、ウジウジしてないで、ちゃんと残さず食べるんだよ!」

 そんな魔法使いを無視するかのように、周りをメイド達が動き回る。

 俺達は4人とも食堂?に連れてこられていた。世話してくれるのは何故か、母ちゃんみたいな雰囲気のエルフのオバちゃんメイド達である。

 エルフなのに、オバちゃん。メイド服なのに、オバちゃん。解せぬ。やり直しを要求する!

「なんか失礼なコト考えたね?!」

 ペシっと叩かれた。いてぇ。なんでわかったの?

「・・・おにぎり、おいしい。」

「この味噌汁、うめぇ」

「そーかい、それはよかったねぇ、たんとおあがり。」

 一口食べた神官や戦士から出た感想に、オバちゃん達は優しくご飯を勧めてくれる。

 なんで日本食なんだ? そう思いつつ、勇者(オレ)も食べる。懐かしい美味しさ。母ちゃんの朝飯みたいだ。

「ご飯がすんだら、今日はもうおやすみ。明日、王様がお話したいそうだよ。」

 オバちゃんの一人が、そう言って俺達を寝室に案内する。与えられた個室のベッドでオレはすぐ眠りについた。


**********


「よく来たな、まあ座れ。」 

 次の日、朝ごはんの後で、俺達4人は魔王と再会した。和室の掘りごたつで。壁にはバカデカい液晶テレビまで掛かっている。ホームシアターかよ。

「いいだろう、コレ。『かめ●まぶらんどの250いんち』で『はちけい』であるぞ。『びぃえす』も映るように『けぇぶるてれび』にも入っている。」

 なんだよ、その自慢たらしいのは。魔王のドヤ顔にちょっとムカつく。

 コタツは長方形の6人掛けで、俺達は2人ずつ長辺に座る。

「魔王のクセになんで掘りごたつなのよ。なんで部屋が和室なのよ!」

 早速魔法使いが甲高い声で魔王に突っかかる。

「そんなイイガカリは知らん。まぁお茶でも飲め。」

 魔王は取り合わない。

熱いほうじ茶の入った湯呑が俺達に配られる。ソコは紅茶だろ!JK。

「で、何の話があるってんだよ。」

 ほうじ茶を飲みつつ、本題に入れと戦士が促す。

「そうだな・・・。まず、余はエルフの王であるが、魔王ではない。」

 魔王はそう切り出した。



(つづく)

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