8話 宰相閣下を拝見したくなった
ドルフ
「おい、なんの騒ぎだ」
「お客さんしらないの?」
帽子を深く被った男は酒を傾けながら外の騒ぎを酒場の女に尋ねた。女は嬉しそうに窓をみた。
「宰相閣下が視察でここにおよりになるのよ」
「そうなのか…こんなに騒ぐことなのか」
男からしたら宰相がきたからとこのように嬉しそうな騒ぎになるのか、大袈裟だなと思った。そして兵士がいるならそうそうにこの街を離れようとも考えた。
「だって!宰相閣下よ!顔も頭もいいし小さい頃からの憧れよ」
「小さい頃から?」
男は女をもう一度みた。どうみても50は過ぎているはずだ
女はそんな男の考えをよんだ。
「失礼ね!まぁたしかにおばさんよ」
男は申し訳そうな表情をしておいた。
「閣下は竜人族の中でも特異種でとても長生きなのよ。だから小さい頃から変わらない憧れなのよ」
うきうきとした声で女は男に教えた。男はいいことをきいたと酒を思いっきりあおった。どんと金をおいて立ち上がった。
「つりはいい。その宰相閣下を拝見したくなった」
これは天啓だ!いまこそ俺たちの宿願を果たすときなのだと感じた。街にいる同輩を召集しこれからのこと思うとにやける顔をやめることができなかった。
いつもより短くて申し訳ありません