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終焉の竜と王国  作者: 白山 銀四郎
6章 竜は終焉をもたらします
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6章 終焉の竜2(完結)

「今度こそ、あんたを殺すわ」

女神と赤い竜がクロークに仕掛けた。人間には立ち入ることのできない神話の戦いが始まった。それをただただ祈り見守ることしかできないグランディアの人たちは一所懸命祈った。

「閣下!」

クロークの体から血が流れた。クロークは昔のように力がないことを後悔し、決断した。

ーいちかばちか

クロークは力を溜め込んだ。動きの止まったクロークに女神たちは攻撃をとどめだと言わんばかりに打ち込む。その度にクロークの鱗が剥がれ、血が流れるそれでもクロークはうごかなった。

女神たちはなかなか倒れないクロークに苛立ちがつのり近づいてきた。その瞬間、クロークの口からものすごい勢いで黒い炎が吹き出した。その炎は女神たちを包み込んだ。

クロークは油断することなく赤い竜に飛びかかり喉に牙を突き立てた。赤い竜と絡まりながら地面に衝突すると振動とものすごい土煙が上がった。

クロークは下敷きにした赤い竜をみると息絶えてることがわかった。女神は炎に巻かれ、全身がただれていたが生きていた。

「くそが!」

女神は始めて怒鳴り声をあげた。女神はふらつくクロークに攻撃を打ち込もうとしたが天から落ちた雷にその身を粉々にされあっけなく消えた。

クロークがその場に崩れ落ちると同時に守護壁も霞のようにきえグウェンシークたちが駆け寄った。

「クローク!」

「……」

うっすら目を開くだけでグウェンシークの呼び掛けに答えなかった。グウェンシークは涙を流しながら大きな頬をなでた。その様子をみている周囲のものたちも一様に涙を流していた。

「ディメント…かえろうか」

急に聞こえた声にパッと顔をあげると悲しそうな顔をしたラニルがクロークのそばにたっていた。その姿は竜のクロークと大差ない大きさでありみなが見上げた。

シーフはいの一番に膝をついた。

「生と死の神ラニル様…」

「我が息子を大切にしてくれたこと嬉しく思っている」

「息子!?」

「さぁいこうか」

優しくクロークをラニルはなでた。

「お待ち下さい!」

「なんだ」

グウェンシークはおそれ多いとは思いながらも待ったをかけた。クロークにもう一度手をのせると閉じていた目を開ける。その大きな瞳にうつる自分は情けない顔だとグウェンシークはそんなことを思った。

「また会えるだろうか…クローク…」

「…」

グウェンシークの言葉にのろのろとおぼつかない動きで体を起こすと首の逆鱗を一枚とりクロークは差し出した。

「わたしもおあいしたい」

グウェンシークは鱗を抱え頷いた。

「絶対だぞ!いつまでも待っている。ありがとう、クローク」

グウェンシークが頭をさげみんなも倣うように頭をさげ感謝を伝えるとラニルとともにクロークの姿は消えた。

戦禍の傷跡が残る地に鳴き声と鼻をすする音がいつまでも響いた。



今まで読んでくださった方ありがとうございます。

つたない文章と想像力の作品でしたが

1節でも面白い、よかったと思える部分があったのでしたら幸いです。

次回はちょっとはまってしまった極道ものを書いていきます。

よろしくお願いします。

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