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終焉の竜と王国  作者: 白山 銀四郎
3章 竜は狂愛を受けました
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19話 グローリエをよんでくれるか

ワットヌーエ国との同盟締結が本決まりとなり調印式がグランディア王国で執り行われることとなった。

賓客をお迎えする準備を慌てることなく、優秀ぞろいの使用人たちはこなしていた。

グウェンシーク達も最終確認を行っていた。

「・・・以上が想定される事態になります」

クロークが読み上げていた書類から顔を上げる。

「おそらくは問題なく締結されるだろうがな」

グウェンシークがそういうと皆が大きくうなづいた。このグランディア王国にたてつく国などあろうはずがない。どの国も国土も、経済力も戦力も大きく下回っている。しかしだとグウェンシークはクロークを脇に立つクロークを見上げた。クロークは何でしょうかとわずかに首を傾げた。

「クロークは部屋で休むように」

「・・・」

 グウェンシークの言葉にその場にいた大臣や兵士たちが驚き2人を見た。

「顔色がわるいだろう・・・そのように化粧と魔術でごまかすとはな」

「・・・もうしわけありません」

「否定しないということはやはりそうなのだな。あとのことは任せてやすむんだぞ」

「そうですよ、閣下!我々にお任せを」

「閣下が条件を決めてきてくださってますし大丈夫です」

グウェンシークの後に続くように大臣たちもクロークに休むように言いつのった。クロークはなんだかんだと頼りになる王と臣下だと肩の力を抜いた。

「ありがとうございます」

「さぁ、閣下。お部屋に参りましょう」

ヘイルダムに導かれるように一礼すると部屋から退出した。

「お辛いならそう言ってください」

「すまない・・・」

どんどんひどくなる体調に不安が募る。クロークはこの方、病気などにかかったことがない。何が悪いのか見当もつかないのである。しかし、クロークはどこかで似た感覚を覚えたことがあるような気がしていた。

「閣下?」

「あぁ・・・すこし考え事を」

考えている間に足が止まっていたようである。クロークは仕方がないと腹をくくるとヘイルダムにいった。

「グローリエをよんでくれるか」

「!・・・わかりました」

ヘイルダムはロナルドにグローリエをクロークの部屋に連れてくるように命じた。クロークを横から支えた。支えたクロークの体は熱を持っていた。

「・・・ありがとう」

小さく礼をいうクロークにそれほどまでに体調が悪いのかと驚きを隠せなかった。グローリエをよぶように言うこと、支えても拒まなかったことすべて普通ではありえないことである。


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