1分で解ける推理クイズ:容疑者はだれ?
──とある日の夜、都内のマンションの一室から刺殺体が発見された。被害者は腐川薫、24歳の男性で商社の営業をしていた。第一発見者はマンションの管理人。ゴミの出し方に文句を言おうと管理人は被害者──腐川薫の一室に訪れたが、ドアを叩いても返事がなかった。ふと足元に黒い液体が滴り落ちたような跡に気がついた管理人は、嫌な予感がしたので、試しにドアに開けようとしてみたところ、鍵はかかっていなかったらしい。ドアを開けるとその先には血まみれの腐川薫が倒れていたという。
すぐに警察が呼ばれ、殺人事件として調査が開始された。被害者の自宅での殺人ということから、聞き込みは近隣の住人や友人、知人から行われた。
A「真面目な男でした。訪問販売の営業で都内を歩き回っておりました。弊社では悪質な営業活動は一切禁じており、お客様が不快にならないよう全力で配慮しています。……ノルマ? 目標の値は設定しておりますが、あくまで目標ですよ」
B「知らない名前ですね。その人がどうかしたんですか? ……もしかして死んだとか? ……私はこれから駅前で友人と会うため外出するので……失礼しますね」
C「金遣いが荒い男だったな。変なやつだったよ。ある日、自慢のロン毛を金髪にしてたからさ、外人かよってみんなで大爆笑したことがあったな。あいつは今でもあんな格好してたのか?」
D「誰です? そんな男知りませんよ。私は靴を買うため駅の方に行くので……もういいですか」
E「その人なら心当たりがあります。もしかして……管理人とよくもめていた女性ですかね? よくゴミ出しのルールを守らないともめていたのを見かけた覚えがあります、目立つ髪型をしていたのでつい気になって。……その……人違いだったらすみません」
若手刑事の聞き込み調査の報告を訊いた年配の刑事が、その中からひとり取り調べたい相手がいると告げた。「……そいつがにおうな」と言うとタバコに火をつけた。若手刑事は首を傾げるが、言われたとおりその人物を呼び出した。間も無く殺人事件の犯人はその人物だったと判明した。
問題:年配の刑事が怪しいと思った人物と、その理由とは?
解答:D
「誰です? そんな男知りませんよ」と答えたDが怪しいと年配の刑事は考えたようです。
Cは被害者の最近の髪型を尋ねたことから、聞き込みに腐川薫の写真が使われていないことがわかります。Bの「知らない名前ですね」から、名前などの情報を口頭で伝える形式で聞き込みが行われたのではないでしょうか。
Eの「もしかして……管理人とよくもめていた女性ですかね?」は、目立つ髪型──おそらく金色の長髪──の人が管理人ともめていたことが印象的で覚えていたので、そこからの推測です。近隣のトラブルと管理人というワードから印象に残っていた出来事を結びつけたのでしょう。そして女性と誤認していたことから聞き込みでは性別を伝えていないことがわかります。
そして腐川薫──という男性にも女性にも使われている名前なのに、Dは男と断言しています。それを訊いた年配の刑事は、少なくともDは腐川薫を知っていたのでは? と疑念を抱いたようです。
最後に、Bの「……もしかして死んだとか?」は警察が聞き込みする姿からの連想となります。




