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3-4 俺たちは馬から飛び降りた

短めです!

 俺たちは馬から飛び降りた。馬はそのまま走り、ファントムの名のごとくすっと消えてしまった。ミノタウロスは馬には全く反応することなく、俺や優姫のことを睨みつけている。ああー、できれば戦いたくないなー。だが、そんな願いが叶うことは無い。


「さぁ!ボクとやるのはどいつだ??」


 優姫はやる気満々だ。ミノタウロスの顔なんてみんな一緒だろ。・・・そうだ、一応聞いておこうか。一応な。


「優姫!体の調子は?」


「ばっちりだよ!!」


 ドラゴンに吹き飛ばされて体ぐちゃぐちゃになってたって言うのに。何食ったらそんな頑丈な体になるのかね。


「仁!どうしよっか?」


 なんも考えてないのか!ったくそういう役回りばっかだな。俺。作戦と言っても遭遇戦だ。大した作戦なんてない。基本的には一体ずつ確実に削っていくしかないだろう。俺たちの中で占領力があるのは優姫。ジェフは・・・。未知数だしちょっと頼りないけど一体相手にしてもらうほかないだろう。


「優姫、俺、涼香で速攻二体!ジェフ一体相手にして耐える!」


「了解!」


「速攻ですね!」


 そんな俺たちを見ながらジェフは自分の剣を抜く。刃の長さはそこまで長くないものの、しっかり手入れしてあることがよくわかる。


「貴様ら、何言っている。ミノタウロスはとてもタフだ。タフすぎるがゆえに体の事を考えず無茶をしてしまう。考えなしに動くものをミノタウロスの後追いと言うくらいだ」


「へぇ?考えなしなんて優姫みたいだな?」


 優姫はほっぺたを膨らませて抗議する。


「ボクだっていろいろ考えてるんだぞ!」


 優姫の宣言は涼香に流された。


「はいはい。さっさとミノタウロス倒しますよ!」


「まぁいい。手並み拝見と行こうか!」


 ジェフ大丈夫だろうか。村一番の雑魚のようだったけど・・・。まぁ、ジェフが耐えきれなければ優姫がタコ殴りにあうだけだな!


「優姫!涼香!あれで行こう!スーパースープレックス!まず一体場外に退場してもらおう!」


「わかった!」


 優姫はそう言うとミノタウロスの方へ走る。よし、まず俺は優姫が狙ってない方のミノタウロスを足止めする!俺は魔導書を腰のホルダーから取り出すとページを開く。


洪水フラッド!」


 ブモォウ!!ふはは!吹っ飛べ!だが、俺の笑顔は凍り付く。


「吹っ飛ばないだと!?タフだ!」


「我が既に伝えていたと思うが!?」


 ジェフの遠距離ツッコミ。


「うるせー!水流弾ウォータージェットブレッド!」


 新技!水流を弾丸の速度で飛ばす!洪水は圧力で押し出す感じだが、こっちは水の柱を加速させてぶつける感じだ!おおふ、この魔法疲れる!


ドォン!!モォォッ!


「よし、吹き飛んだぞ!優姫、涼香、タイミング合わせろ!」


「がってん!」


「はい!」


 まずは優姫が懐に入る!ミノタウロスの無秩序に振り回す金棒を軽々とよけて、優姫はミノタウロスの懐にっ!?優姫はミノタウロスの左手に足をつかまれていた。


「やばっぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 優姫はミノタウロスに大きく振り回される。あのままじゃ、背骨がおられる!


「何やってんだ馬鹿野郎!」


「私に任せてください!停止ストップ!」


「うわぁ!動けない!」


 涼香の魔法で優姫が硬直する。


「涼香!優姫に当たってるぞ!?」


「これでいいんです!」


 止まったのは優姫の体だけではなかった。その位置まで固定されていた。ミノタウロスの手がスポーンと抜ける。おお、あいつも驚いてるな。思わず手のひら見ちゃってるじゃんか。おっと、停止の効果はあまり長くないんだな。優姫は静かに着地するとミノタウロスの死角に入る。


「いいぞ!突沸バンピング!」


 バン!これでミノタウロスの体内の水分が急に沸騰した!だが、それでもミノタウロスの体は原型をとどめていた。

「何て耐久力!まぁ、今回はミノタウロスの動きを止めることが目的!俺の仕事はしたぞ!」

 

「よし、力強化パワーアップ!」


 優姫はミノタウロスと相撲を取るかのように取っ組み合う。そして、優姫はカウントダウンを始める。


「いっくよー、3、2,1!」


跳躍ジャンプ!」


 優姫がエビぞりになると同時に、ミノタウロスは涼香の跳躍によって急激に上へと持ち上げられる。


「だーらっしゃぁぁぁぁ!!」


 ミノタウロスに急激にかかった上方向の運動に優姫が持ち前のパワーを使って横へとシフトさせる。跳躍の勢いそのままにミノタウロスの巨体が宙を舞う。


 ブンモォォォォォォォォ!!!!


「さらば、ミノッチ!ボクの勝ちだね?」


 ミノタウロスは崖下に落ちていった。・・・底に当たった音がしないな。なんて深い谷!ってか、ミノッチって。


「ミノッチって何だよ」


「うるさいよ!ヒトッチ!」


「ヒトッチいうな!めっちゃダセェ。俺がヒトッチならお前はユキッチ!」


「え、ユキッチいいじゃん!ボク割と気に入った!どう思うリョッチ?」


「リョッチ・・・」


 涼香が心底嫌そうな顔をしている。あーあー。ちょっとかわいそう。うん。ヒトッチのほうがましだわ。


「ほら!ヒトッチがそんな事言ってるから次のミノッチ来ちゃったよ!」


「俺、この戦闘終わったら絶対ヒトッチで反応しないからな!」


 俺は涼香の方を見る。・・・涼香が何も言わないのが怖い。


「・・・さっさとあのミノタウロスふっとばしましょう」


 あああ、また涼香を怒らせる。


「ぐわぁ!」


 ジェフの悲鳴!うわっあんなでかい金棒もろに受け止めたのか!!足が地面にめり込んでるぞ!?俺は慌ててジェフの方に駆け寄ろうとする。


「貴様たちは来なくていい!出でよ!地揺狼フェンリル!」


 ジェフは器用にも左手で魔導書を持ちながら右手で剣を振っていたらしい。


 ぐおぉぉぉぉぉ!!


 突如、ジェフの後ろに魔法陣が出来上がるとそこからジェフの身長の二倍はあろう、巨大な狼が姿を現した。


「行け!わが僕よ!」


 これがジェフの強さ?いや、フェンリルの強さか!俺が必死でふっとばしたミノタウロスを易々と吹き飛ばし、挙句首を折ってしまっている!

読んでいただきありがとうございます!


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