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眠れる王女と、眠れぬ王子  作者: 八知 美鶴
43/102

43話

「では……ルキア王女の病が治ったならば、その時は私の申し出を受けるというんだな」

「……ええ。その時はあなたの妻になるわ。ただ……いつになるかわからないわ。もし……あなたの気が変わってもあたしは」

 フィンソスはカルの唇に人差し指を当てると、首を横に振った。

「それ以上言うのは許さないよ。私の気持ちはずっと変わらない。君以外の誰かを妻にするなんて、考えるにも値しない。だから待つよ。いつまでも」

「フィンソス……」

 涙ぐむカルを、フィンソスは子供をあやすように抱きしめる。

「だが、もう待ち続けるのに飽きたから、私も協力するよ。その方が早く解決するかもしれないしね」

 びっくりした顔で、カルはフィンソスの顔を見上げた。

「あなたが?」

 フィンソスはくすりと笑うと、片眼を閉じる。

「もちろん私の場合は、陛下だけどね」

 カルも緊張がほぐれたような笑みを浮べたが、すぐに苦笑めいた口調で呟く。

「あなたが手助けしてくれるのは嬉しいけど、そう簡単に病が治るとは思えないわ」

「わかってる。だが一人より二人の方が、心強いだろ」

 自信ありげな表情で微笑むフィンソスに、カルは少しだけ不安がとれたような笑みを浮べた。

「そうね……」


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