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眠れる王女と、眠れぬ王子  作者: 八知 美鶴
3/102

3話

 そして今も着慣れたクローブ国の衣装から、オーク国用にしつらえた暖かな衣装に着替えていた。

「なんでこんなに慌てて輿入れしなきゃいけないのかしら。なにもかも中途半端で、嫌になってしまうわ」

「それはその……仕方ありませんわ。オーク国もクローブ国と似たような病状に悩まされているようですし……」

「らしいわね。確か私達とは正反対に、不眠病だったかしら」

 不眠病はその名の通り、眠れない病らしい。

 らしいというのはあくまでシエルからの情報なので、詳しいことはわからない。

 ただわかっているのはオーク国もクローブ国同様に、病で悩んでいるらしい。

 特に国王であるアルク・オウレンの症状は酷いらしいのだが、これは極秘情報のため、ルキアとシエルしか知らない。

 とはいえ元々オーク国は鎖国に近い状態だったので、病のこともあまり知られていなかった。

 だが現国王であるアルク・オウレンが王位に就き、似たような病で悩んでいるクローブ国と国交を始めたと聞いている。

 ルキアもつい最近知ったのだが、何度か互いの国同士の医師達で治療薬の開発などもしていたらしい。

 確かに一時はルキアも春眠病が軽くなった時期があったが、それも春先になると反動で大きくぶり返してしまい、前より悪化してしまうという結果になってしまった。

 病状の改善がなかなか見られない両国間の医師達は相談し、ルキアをオーク国で療養治療させては、と両国王に打診した。

 最初はオーク国側が反対したのだが、治療薬の開発に行き詰まっていた医師達は、直接患者を片方の国に連れて行けば、何かしら症状の改善策が見つかるかもしれないと主張したのだ。

 それだけ医師達も、もうどうしていいかわからず、追い詰められた状態だった。

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