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眠れる王女と、眠れぬ王子  作者: 八知 美鶴
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2話

「いいかげん、馬車の生活も飽きてたし、おしりが痛いわ」

 独り言のように呟くと、ルキアは腰をさすりながら窓の外をぼんやりと眺める。

 馬車に揺られてかれこれ八日が経ち、牧歌的な田園園風景から、徐々に寂れた色合いの針葉樹林へとかわっていく。

 国王として兄シエルから命じられ、厳冬オーク国へと嫁ぐことになったルキアだが、支度やら準備で感傷に浸っている暇がないほど忙しかった。

 まず一つに、衣装を全て新調しなければならなかった。

 そもそもクローブ国は春の国で、通年を通して暖かい。

 となれば衣装も生地の薄いものや肌の露出した、軽やかな衣装が多い。

 対してオーク国は厳冬というだけあって、夏であろうと昼でも肌寒く、冬など一時間と外にいられない程の寒さだ。

 なので衣装も毛織物や獣毛などの生地が厚くて、重厚感のある衣装になる。

 しかしそんな衣装を作ったことのないお針子達を、なんとかそれなりの衣装にしつらえていく。

 しかし圧倒的に時間が足りず、足りない分は急遽オーク国からお針子を呼んで寸法だけ計ってもらい、オーク国で受け取ることになった。

 旅支度も途中立ち寄る街や貴族の館で、随時荷物を切り替えることで話がまとまった。

 婚礼準備の荷物などは後で送ることになり、ルキアはほぼ身一つで向かうことになったのだ。

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