表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/28

(16)運転三昧をプレイしてみて

山崎は鉄道に詳しく、また趣味ホビー対象であり、ネットで楽しめるものに何かないかと「鉄道ゲーム」とキーワードを入力して検索ググるしたところ電車トレイン運転ドライブに特化したゲームサイト「運転三昧うんてんざんまい」を発見した。運転できる路線は現実に存在している実在路線、実在していない架空路線の合わせて8路線で、運転できる電車の種類もネットオンラインゲームのサイトにしては非常に豊富でかなりの種類があるが、一部の車両はゲームをクリアしていき貯まっていった得点ポイントを利用して購入しないと運転できないほか、一部の運転区間も同じようにやはりゲームクリアで得た得点を利用して購入してプレイ可能になる。山崎はまずは意外なことに現実の運転シュミレーションゲームにはあまり利用される機会がなかったかと思われる東京メトロ銀座線を選択チョイスし、車両も初めてなので初級編として東京メトロ1000系を選んだ。


☆東京メトロ1000系☆

銀座線ではこれまで01系が使われてきたが、東京メトロの計画の上で、最初の編成の登場から29年が経過した01系の制御機器の更新や将来的には銀座線でも車掌乗務をなくしたワンマン運転実施が予定されていた。しかし、銀座線車両は地上を走るJR山手線などの車両よりも小形ミニな16m級車体で制御機器の更新には相当な手間と経費コストがかかることが見込まれたことから、01系の制御機器更新やワンマン運転対応改造を主眼に置いた大規模更新リニューアルを行うことはせず、新たに新車を入れて対応することとなった。これが銀座線の新形車両1000系で系列名の由来は銀座線の初開業時の車両形式名「1000形」から取ったもので1000系登場当時ブームであった「原点回帰ルーツにもどる」車両の一つ。登場した時期は2011年度末で2012年4月より銀座線で営業運転を開始した。1000系は制御機器には最新鋭のVVVFインバーター制御方式を導入しモーターは磁気同期式のPMSMが採用され従来のIGBT素子を用いたVVVF制御車よりもさらなる省エネ化が図られている。台車は銀座線でのカーブの多さを考慮し1軸ごとに車軸が回転可能な特殊な台車を採用し、01系が3M3T[編成中3両の車両にモーターが付いていて残りの3両にはモーターがないという意味]だったのに対し、1000系では6Mになっているが実態は1000系では1つの台車に1台しかモーターがついてなく実質0,5M車でこれを編成両数である6をかけたら3になるのでモーター数を換算すれば結局は従来の01系と同様に3M3Tになる。思えば、大昔の銀座線では戦前からいた旧形車両がやはり1台車に1台しかモーターを付けていない0,5M車であったことから「歴史は繰り返す」というものだろうか。室内はバリアフリー対応化をより強化しつつも遊び心も働かせ銀座線沿線の名所をピクトグラム化した絵を連結部の通路のドアのガラスなどに描いてある。なお、これにより従来から活躍してきた01系は2013年度より廃車が開始され2015年4月現在では銀座線の約3分の2の列車がこの1000系で運転されている。


話、再び「運転三昧」のことについてに戻るが山崎は運転区間に浅草発渋谷行きで日中時間データイム帯を選択した。ここは日本の首都、東京。その東京の地下を走る銀座線。平日の日中の時間帯こそ書き入れ時で銀座線沿線は人で賑わっているところを多く通っているだけにほぼ全区間にわたって満遍まんべんなく利用客が多い。これは地上を走るJR山手線などにも言えることだ。


山崎は画面に出ている1000系の運転席に座り、発車時刻になりドアが閉まったら車掌からの合図ブザーを確認してブレーキを緩めてマスコンを入れて加速して次の駅へと電車を走らせた。

「戸閉めテン!ブザーよし!出発信号40」

浅草を出たらすぐにわたり線のポイントと右へのカーブ。まもなく最初の停車駅、田原町たわらちょう。山崎は停車位置に近づいてから一気に強めのブレーキを込め、ホームのやや前よりに差し掛かってきたらブレーキを緩めたり強めたりの微調整をしながら停止位置にわずかな誤差で停車させた。某ゲーム機とは異なりパソコンではキーボードの右側にあるテンキーにある矢印ボタンを使ってハンドル操作をするが、2050年の世界ではテンキーを使ってのハンドル操作でも滑らかにハンドル込めができるように改善されている。また、主に駅に入る手前で鳴らすことが多い警笛ホーンはスペースキーを押すことによって鳴る。

「田原町。田原町。1番線の電車は渋谷行きです。~発車メロディ鳴動後~発車いたします。閉まるドアにご注意ください」


山崎はこの先、稲荷町、上野と電車の運転を進めて行った。上野から客がドッと乗ってきて山崎は一瞬「ブレーキの利きが悪くなるのでは?」と思った。確かに客がたくさん乗っている電車ではブレーキの利きがいつもよりも悪くなるが、応荷重装置によってある程度は一定にブレーキがかけられる。日本橋、銀座、新橋と客の利用が多く電車は実物であれば満員状態だ。銀座線は渋谷の手前以外はすべて地下を走っているので画面に映る前面映像ももっぱらトンネルの暗闇やみが続いているように見えるが、地下鉄メトロのトンネルは普通の山岳ヤマのトンネルなどとは異なりその区間によってあらゆる建設方法が使われているために同じトンネルでもいろいろな種類がみられる。特に昭和初期の戦前に全線開通した銀座線ではそれだけに昔ながらの鉄骨むき出しのトンネルも見られて興味深い。運転しながら山崎は思った。

「思えば、ここにオレンジ色の電車やつが走ってた時は駅の手前やポイントで室内照明が一瞬消えていたんだね?」


運転区間も後半を切り青山一丁目を過ぎると客の利用も落ち着いていき、終点渋谷に近づくにつれてブレーキの利きもよくなってきているように感じた。トンネルの出口から見える外の光が差してくると終点渋谷はもう目の前だ。


山崎は無事に終点である渋谷まで運転できた。この「運転三昧」では全区間をすべて運転しなければクリアにならないといったことはなく、プレイヤーが自由に運転を始める駅と運転終了駅を決めることができる。運転区間の微調整も最初の路線と車両の選択時に決められる。運転終了後は運転評価の上、得点が入り、これを貯めていけば得点を利用して購入しないと運転できない車両や区間も運転できるようになる。


無事に終点の渋谷に到着できて運転評価に対する得点ポイントが入った。これからどんどんこの得点を貯めていって憧れている車両の購入や運転区間の購入に使いたいのだ。山崎は初級で設定されている車両1000系による運転が終わった後、同じ銀座線でも今度は1993年まで走っていた01系に対するさらなる旧形車両であるオレンジ1色の2000形で、その中でも1986年まで見かけることができた釣り掛け駆動車組み込み編成を選び運転区間は任意に選んで銀座から上野の間とした。2000形でも釣り掛け駆動車組み込み編成は上級に設定されているので運転するのが非常に大変なようだ。


☆営団2000形釣り掛け駆動車組み込み編成☆

銀座線では昭和30年[1950年代後半~60年代]代の高度経済成長期に車両増備目的で大量に2000形が製造されたが、依然として戦前の開業時からの車両もこの当時はまだ全車現役であった。1968年になると銀座線開業時からの車両を置き換えることになり銀座線初の中間車形式であるモーター付き車両同士がユニットを組んだ1500N形が登場し、当初は6両編成中の渋谷方から数えて2・3両目に1ユニットのみ連結され、浅草方から数えて2・3両目の車両には引き続き吊り掛け駆動式の旧形車両が連結されることとなり、浅草方から2両目の車両は戦前製の1200・1300形のモーターを撤去した付随車トレーラー化した車両が、編成中間部の3両目には1950年代半ばに登場したNが付かない1500~1700形といったドアが片開き式の釣り掛け駆動車や、ドアが両開き式になった1800形というこれまた釣り掛け駆動車が連結されるのが銀座線の定番編成パターンだった。なお、編成によっては浅草方から数えて2両目の車両もモーターが付いたままの車両の編成もあった。1200・1300形から撤去されたモーターはNの付かない1500~1700形の出力増強パワーアップに転用された。昭和30年代登場のすっきりとした車体の2000形と側面窓の上下に入ったシルヘッダーが付いていかめしい雰囲気の戦前製の車両がお互いに連結し合い、高性能車の軽快なカルダン駆動音と旧形車両の釣り掛け駆動音の合唱がユニークであった編成の列車がまさか東京の地下を走っていたとは驚くべきことで、当時、地上のJR[この当時は国鉄]山手線には新形のステンレス車体にラインカラーである黄緑色の帯を巻いた205系が続々と登場していたかたわらでの銀座線の旧形車両の編成は「同じ東京の鉄道路線なのに衝撃的な新旧の違い」とまで鉄道には興味がない一般利用客からも反応があったらしい。そんな、釣り掛け駆動車組み込み編成も当時の銀座線の新形車両である01系に順次置き換えられて姿を消し、その後1993年7月まで残っていったオレンジ色の車両たちは皆、先頭車2000形+中間車1500N形を2組というすっきりとした6両編成になっている。


ここから話はまた「運転三昧」でのプレイ実況に戻るが、山崎は運転できる区間を細かく設定できるモードを使い銀座から上野の間を運転区間にした。時間帯は敢えて利用客ひとが非常に多くなる朝を選んだ。ドアが閉まり車掌からの発車合図ブザーを確認したらマスコンを入れた。2000形はさっき運転した最新鋭の1000系とは全く異なり運転台のハンドルはマスコンとブレーキハンドルが別になっている「ツーハンドル式」である上に、ブレーキも古典的な自動空気ブレーキ方式で乗っている客の量に応じてブレーキ力が調整される応荷重装置もなく客が多く乗っている満員の状態であればブレーキの利きが非常に甘くなってしまい、かといってブレーキに気を取られていると予定運転時間ダイヤをオーバーしてしまうことにもなりかねない。


~★銀座線釣り掛け駆動車組み込み編成★~

←渋谷[①2000+②1500N+③1500N+④1500~1700・1800+⑤1200・1300+⑥2000]浅草→


銀座を出て次の駅は京橋。山崎の出身地、大阪にも同名の駅があるが、東京のその駅は東京駅の八重洲口に近い駅だ。2000形で釣り掛け駆動車組み込み編成は同じ編成内でも車両それぞれのクセがあるためなのかブレーキの利きは非常に悪い。加えて客が非常に多い朝の時間帯だ。「まもなく京橋。京橋。出口、右側です」の車掌放送が聞こえたらすぐにブレーキを強く込めた。ただでさえブレーキの利きが甘い上に朝のラッシュ時間帯アワーでもあるからブレーキ操作も慎重に行った。結果、京橋到着が15秒も遅れた。このまま遅れを引きずっていったら遅れが膨れ上がっていく一方だ。「運転三昧」では遅れに対する減点ペナルティは級によって異なるが上級では10秒遅延で減点となっているが、初級では遅れによる減点はない。また中級ではAとBで減点される遅延秒数が異なりAが30秒、Bが20秒遅延で減点となっている。でも、遅れによるつらさも釣り掛け駆動車から聞こえてくる吊り掛け音によって癒されているような気がする。次の日本橋は東西線や都営浅草線[かつては都営1号線と呼ばれていた]と乗り換えられる上に有名百貨店シニセデパートも点在する駅で、東京メトロ[2000形が活躍していた当時は営団]でも大手町に次ぐ賑わっている駅の一つだ。乗り換え客らがドッと押し寄せてきた。ブレーキの利きはさらに甘くなる。「ヤバい、ブレーキがさらに効きにくくなってきそうだ?」


結局はブレーキの利きの甘さによる停車時にかかった時間によって銀座から3駅目の神田でゲームオーバーになった。

山崎「この車両クルマは上級編だから仕方ないな?」

と思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ