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(10)2050年の世界の2日目~その5~

 山崎のマンションの部屋に豊田と2人で戻ってきた山崎は早速、部屋の北向きになっている窓からの景色の眺めを豊田に見せた。

豊田「マンションの10階からの眺めってこんなに高いところなんですね?」

山崎「はい。夜になると昨日の夜も私、ちらっと見たんですが遠くに星浜まちの中心部の高層ビル群の夜景が見えましたんですよ」

豊田「高層ビル群を絡めた夜景・・・東京、香港ホンコン上海シャンハイ、ニューヨーク・・・?」

山崎「といっても高層ビル群はもっと高さが高いですから私の部屋のあるマンションの10階なんてまだ低いほうですよね?」

豊田「確かに、そうですね」

「あ~、大好きな山崎さんのお部屋に入れたからここから眺められそうな夜景がどんなものなのか、もう今から夜が楽しみ~」

山崎「そうですよね~」


まだ、16時近く。4月になれば夕方の日没時間が18時は過ぎるから外が真っ暗になるまでまだ2時間近くはある。それまで、豊田と仕事探しのことについてを話し始めた。

山崎「昨日の夕方、気が付いたら私がいた部屋にあった置き手紙に書かれてた『夢と未来の仕掛人』を名乗る者へ仕事探しについてのメールをしたら早速仕掛け人の本名と思われる『森原もりはら』という者からハローワークへ行って仕事を探してきます。との返事がきました」

豊田「はい。私もその仕掛け人を名乗る者へ仕事探しのメールをしたらやはり『森原』さんという者からハローワークで仕事を探してきます。といった返事が来てましたよ」

山崎「でも、今日は土曜日だからハローワークはお休みなので森原さんからの仕事を探した結果は月曜日以降になりますよ?」

豊田「はい。確かに今日はハローワークはお休みですよね」

「ハローワークからの検索結果が森原さんから伝えられるのも月曜日以降になりますね?」

山崎「働く場所はできたらこの近辺かライトレールで3~4駅程度の範囲がいいですよね?そんなに遠くまでは通うだけでも精いっぱいで疲れてしまうから通いきれないですからね?」

豊田「私も同感。私もお勤めする場所は第一候補でこの近辺が一番いい。次の候補としてライトレールで3~4駅程度のところがいい」

山崎「仕事のジャンルは2015年の世界でも務めていたのと同じジャンルでハローワークから検索してくるように森原さんへのメールで伝えましたよ」

豊田「確かに、2015年の世界の当時と同じジャンルのほうが仕事の中身が慣れてるしね」


17時を過ぎて

山崎「そろそろ、晩ご飯を作る時間になってきましたが、豊田さんはどうされますでしょうか?」

豊田「せっかくだから今晩は山崎さんのところで食べてきたいですよね」

山崎「どうもね。ありがとうございます」

豊田「今日の晩ご飯は何、作るんでしょうか?」

山崎「昨日の晩ご飯に私は肉じゃがを作りましたんでまだ、その材料となったじゃが芋、人参、玉ネギ、牛肉が残ってるんですよ。でも2日続けて同じものを作っても飽きることは確かですんで、今日はこの材料を使って何を作りましょうか?」

豊田「じゃが芋に人参、玉ネギに牛肉があれば・・・そうそう、あれ、カレーが作れるよww」

山崎「そうですよね~。その材料でカレーが作れますよねww」

豊田「やった~、嬉し~。私もカレーは大好きだよwww」

「山崎さんの作るカレーどんな味かな~?」


2人はカレーを作り始めた。

豊田「じゃが芋と人参は皮をむかないんですか~?」

山崎「はい。皮にも(素材の)おいしさが残ってるのと皮をむく手間を省くためですよね」

豊田「野菜の皮にもおいしさが残ってるんですか~」

山崎「でもさすがに玉ネギだけは皮をむきますよ~ww」


山崎の野菜を切っているところを見て

豊田「山崎さんって切り方にもこだわりがあるんですね~?」

山崎「はい。玉ネギをこうやって切っていくと煮込んでる途中で玉ネギが煮溶けてきて玉ネギが入ってることに気が付きにくくなるんですよ」

豊田「オニオンスープって確かに玉ネギが煮溶けていますよね~?」

山崎「じゃが芋は縦に半分に切ってから横に半分に切り、さらに3等分にするようにして切ってきます。切ったらじゃが芋からは灰汁あくが出てくるので水を張ったボウルに入れて灰汁抜きをします」

豊田「ほんとだ。確かにじゃが芋からは白い粉のようなものが噴き出てますよね?これは灰汁じゃないのかな~?」

山崎「これはじゃが芋などのイモ類に含まれてる『澱粉でんぷん』という成分ですね。澱粉は粘り気があってとろみをつけるのに使ったり、時には和菓子を作る時にも用いられたりもするんですよ。ほら、あの涼しい感じを与えてくれる『わらび餅』もワラビの澱粉が使われてるわけではなく実はじゃが芋の澱粉が使われてるんですよね~?」

豊田「『わらび餅』の原料がじゃが芋の澱粉だったの初めて知ったわ~。山崎さん物知りだね~」

山崎「はい。そうですよね」


山崎は人参も切り始めた。

山崎「人参はこうやって3等分程度に切ってから縦に太いところは6等分に、細くなって来たら4等分に切ってきます。こうすれば上品な切り方に見えるんですよ」

山崎「あ、豊田さんはご飯を炊いてください」

豊田「山崎さんお米は何合どれくらいがいいでしょうか?」

山崎「いっぱい食べるでしょう?じゃあ4合はほしいかな~?」

豊田「じゃあお米4合で炊くよ」


野菜がすべてカットできたら次はカットした野菜をフライパンで油炒めにし、野菜がよく炒まったらそこへ牛肉の細切れを加えて少し炒めて、煮込んでいくためにフライパンで炒めたものを鍋へ移し替えて水を加えて人参やじゃが芋が柔らかくなるまで煮込み、途中、灰汁が出てきたらすくい取り、最後にカレールーを割りほぐして加えたらカレーの完成。山崎は辛い味付けが好みなのでさらにそこへ辛みを増すためのスパイスを加えてより辛いカレーに仕立て上げている。

山崎「豊田さんは辛いのお好きでしょうか?」

豊田「はい。もちろん辛いの大好きだよ。だって2015年の当時の世界にいた時に某カレーハウスのチェーン店で8辛まで食べられたんだから」

山崎「私もこの某カレーハウスのチェーン店では10辛も食べられましたんで、もう辛いものは平気ですよwww」

豊田「私ももっと辛い10辛のカレーを食べてみたいな~?」


カレーが出来上がり、サラダはこの日の朝食で山崎が食べたのと同じ千切りキャベツにコーン缶やツナ缶を乗せたものをサラダ向けの器に乗せて出した。

豊田「山崎さんの作ったサラダも簡単ではあるけどおいしそ~?」

山崎「はい。ほんとに便利ですよ。これは?千切りキャベツの袋入りのやつは?」「これでキャベツベースのサラダやハンバーグやフライ物の付け合わせにも使えますんで」

豊田「一番メインのカレーもおいしそ~」

山崎「そうでしょww私は料理がとても上手なものでしてww」

豊田「じゃあ、食べる?」

山崎「はい。ではいただきま~す」


2人は山崎の作った晩ご飯を食べ始めた。

豊田「わぁ~、山崎さんの作ったカレー、とっても辛さが効いてておいしいわ~」

山崎「はい。私、カレーというとついつい激辛にしたくなってきますんでね?」

「豊田さんも辛さが激しいカレー大丈夫なんですね~?」

豊田「私、今度この星浜まちで某カレーハウスを見つけたらぜひ9辛以上を食べてみたいですよ」

山崎「カレーを食べてる途中で時々、サラダを食べれば辛さを和らげることができますよ」

豊田「じゃあ、サラダも」

「キャベツのシャキシャキ感や甘さとかでカレーの辛さを忘れてくれますね?」

山崎「キャベツは生のままでも甘さがあっておいしいですよね~」

豊田「大好きな山崎さ~ん。私から一口食べさせてあげるwwお口開けて~。あ~ん」

山崎「豊田さんに食べさせてもらうとよりおいしいですわ~」


2人が晩ご飯を食べているうちに外は日が沈み、大分だいぶん暗くなってきた。

山崎「洗い物をして片付けたら窓から外を見てみましょうか?」

豊田「はい、そうですね~。そろそろ山崎さんの部屋の窓から遠くに中心部の高層ビル群の夜景が見えてきますね?」


晩ご飯の洗い物を片付けたら2人は部屋の北側にある窓から外の景色を眺め始めた。

豊田「あ~、いよいよ山崎さんのお部屋の窓から中心部の夜景を見られるんですね?」

「あ~、優しくて温かい男性オトコのお部屋の窓から一緒に夜景が見られるなんて、ロマンチックなひと時。私とっても嬉しいわ~」

山崎「はい。私もかわいい女性の方と一緒にこんな素晴らしい夜景を眺めることなんて夢のまた夢でしたから・・・」

「私が2015年の世界にいる時なんて遠目見、ごく普通な一軒家の生活ホームの1階の部屋に住んでただけに私もこんな素晴らしい夜の景色なんて自分の部屋から眺めたことなんてありませんよ~」

豊田「私も2015年の世界ではごく普通な一軒家に住んでて自分の部屋は2階だたけどもそんなに遠くまでは眺められなかったよ・・・せいぜい雲がない空の星を眺める程度でしたからね・・・?」

山崎「マンションの10階といえどもかなり遠くまで見通せるんですよね~?」

「マンションのすぐ下のライトレール通りを走ってるクルマやライトレールが流れるようにして過ぎ去ってきますね?」

豊田「ここだったら『あれ』は周りを気にすることなく気楽にできるよね~?」

山崎「はい。『あれ』って、仲のいい男女、つまり恋人同士がよくやってる『寄り添いながら手をつなぐ』ことや『抱きしめあう』ことでしょうか?」

豊田「はい。そうですよ」

「山崎さんはマンションの10階に住んでるから、きっと遠くの夜景を眺められることでしょう?今日、昼間、山崎さんと一緒に歩いてたら私思いついちゃったのよ?山崎さんのお部屋からの素敵ロマンチックな眺めと一緒に山崎さんと恋人気分に浸りたかったの?」

山崎「それはそれは。私としてもとても嬉しいですよ。私も2015年の世界の当時から『もし自分に彼女ができたらこんな風に自分の部屋で2人でソファーに座りながら手をつないだり、2人で抱きしめあったり、素敵な夜景を見せてあげたり』したかったんですよ」

豊田「私、2015年の世界でのパーティーで山崎さんと出会えてとても嬉しかったよ」

「山崎さんは私にとっての昔の結婚生活してた時の旦那とは全く違った優しい彼氏なんですよ。そんな優しい彼氏と初めて今日素敵な夜を過ごしてるの」

山崎「豊田さん、私のことを『豊田さんの彼氏』と言っていただけまして。さあ豊田さん、私のことを思いっきり抱き着いてきてくださいね」

豊田「はい。じゃあ山崎さんのことハグするね」


2人は窓の外の夜の景色をバックにハグした。山崎の部屋ここだったら周りの人目などまったく気にしなくても気楽にハグやキスができる。

豊田「あ~、夜の窓から見える夜景をバックに山崎さんに抱きしめられてると何だか『まともな恋をしてる』感じがしてくるね・・・」

「山崎さんとっても温かいよ・・・」

山崎「はい」


山崎はハグしている間、豊田の頭を撫でてあげたりもした。

豊田はそろそろ自分のマンションの部屋へ戻らなければならない時間になって来たところだった。22時前のこと。

豊田「今日は山崎さんと一緒に紳士服店に行ったり銀行の通り向かいの大きな公園でおしゃべりしたり、そして、山崎さんのお部屋で辛くておいしいカレーを食べたりととても楽しかったよ。私はそろそろ自分のマンションの部屋へ戻る時間になってきたので今日はそろそろこの辺で帰ろうかな~と思っています」

山崎「豊田さん、私も今日は豊田さんと朝から一緒に紳士服店に行ったり大きな公園でおしゃべりしたりととても楽しい1日でしたよ」

「豊田さん、よかったらまた私のマンションの部屋に遊びに来てくださいね。待ってますんで」

豊田「はい。また山崎さんのお部屋にも遊びに行きますよ」

山崎「これからもどうぞよろしくお願いいたします」

豊田「こちらこそよろしくね」

山崎「ここのマンションは防犯上、私のスマホをかざさないとエレベーターが動かないので1階の出入り口を出て豊田さんのほうのマンションの出入り口までお送りしますよ」

豊田「はい。じゃあ山崎さんお願いします。山崎さんのマンションを出たら後は斜め向かいの私のマンションへ向かうだけですから1人で帰れますよ」

山崎「でも、もう夜だし1人だと危ないと思います。豊田さんは女性ですから男性である私と一緒に豊田さんのほうのマンションの出入り口までは送ってあげますよ」

豊田「じゃあ、私のマンションの出入り口まで山崎さんに送ってもらいましょうか?」


2人は部屋を出て手をつなぎエレベーターで1階へ降りて山崎の住むマンションから出てLRT通りの斜め向かいにある豊田の住むマンションの大元の出入り口まで豊田を送っていった。


豊田をマンションの出入り口まで送っていって山崎のマンションの部屋に帰ってきてから山崎はこの日のことをいろいろと回想していたら時計の針は0時近くになっていた。この日は山崎にとって生まれて初めてのまともに恋愛体験をしただけに気持ちも高揚していあるようだ。



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