僕の今まで
この中学に入ってもう1年経つ。気が付いたらもう2年生になっていた。この中学には全ての生徒が必ず部活動に入部しなければならない。そんな誰かが勝手につくったルールのせいで僕も部活動に入部した。はっきり言って嫌だった。強制的に入部させられるような部活動に意味なんてあるわけないし、有意義なはずなんてないんだ。僕は美術部に入部した。美術に興味があったわけでもないし、絵を描くのがっすきなわけでもなかったけれど、出来もしない運動部に所属するかは全然ましだと思った。そんな理由だ。僕は美術部に入りたくもなかったし、そんな活動に興味なんてなかった。それでも気が付いたらすでにこの部活に慣れてしまって、毎日放課後に活動することが日課となってしまっている自分がいた。なんとなく一日の授業を終えた後に絵を描くことが楽しいと思えるようになっていたんだと思う。「三橋、お前よく真面目にそんなもんかけるな」三橋隆也僕の名前だ。声をかけてきたのは同じ部員で同級生の今成。今成は部活に毎日顔は出すものの、作品を書いたりはあんまりしない。以前期限内で作品提出ができそうになく僕の書き溜めた物を自分の名義で出したことがある。僕が時間を割いて描いた風景画を無理やり奪って自分の物にしたのだ。僕はこいつが好きではない。嫌いだいなくなってほしい。今成はこの美術部ではボス格だ。他の部員に対しても自分の要求を呑ませ思うがままに従わせるような奴だ。僕もしょっちゅう要求どうりに動かされふりまわされている。三年生が不在なわけあって、今では今成がこの部の部長のような立ち位置で偉そうに振る舞っている。はっきり言って僕にとっては目障りな存在だ。そして、厄介なことに他の美術部員たちもこいつの言いなり状態となってしまっていて、こいつの言葉一つでこの部活ないでの僕の立場も危うくなてしまいそうなのだ。だから、こいつの機嫌を損ねないように従ったほうが利口だろう。僕を除いた部員の2年は顧問の先生がいないことをいいことにトランプをやってはしゃいでいるのだ。先生がいるときだけ皆真面目な振りをして活動をする。そんな、今成以外の部員にも少し腹が立っていたというのも間違いではない。