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世界を変える方法  作者: 朔月悠
‐1章‐ 崖下の街
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‐1章‐ 崖下の街 10

2週間の間があいてしましました。。。

注意です!

戦闘シーンがあります。

ひらりと鮮やかにシオンは蛇を飛び越える。

そして、がら空き状態の胴体にナイフを突き立てた。

さすがにそのまま胴体を切り捨てるというわけにはいかずに、すぐにナイフを抜く。

見た目的にはかすり傷程度のものだが、ダメージはあったらしく、蛇の胴体がくねる。

一度着地したしたシオンは、身じろぎしている胴体を飛び移る。

うまいぐらいに胴体を上り、再び伸びがった蛇の頭をの高さまで飛びあがった。

空中に飛び上がったシオンの広げた腕の先には逆手に持った両手のナイフ。

(一気に切り落とすつもりか?!)

瓦礫の影に隠れているリオルドはシオンの身体能力を知っていても驚いてしまう。

蛇の胴体はほぼ筋肉だ。

普通なら短剣程度の長さのナイフも刺さるかもあやしい。

だからこそ、シオンは一番弱い頭を狙ったのだろう。

今まさにシオンが両手を勢いよく、不労としたときだった。

蛇がシオンに頭突きを食らわせた。

おそらくとっさのことだったのだろうが、それでも空中で身動きが取れなかったシオンは瓦礫の山にモロに突き飛ばされた。

「!!」

リオルドは叫びそうになる声を両手で口を塞いで凌いだ。

そして、少しずつ後退する。

シオンがこれで死ぬとは思えないが、万が一何かあれば、まずは自身の命を優先にするとシオンとの約束がある。

ここで3年前のように、シオンを呼んでも標的が自分になるだけだ。

少しずつ下がりながら、シオンが突っ込んだ瓦礫の山を見る。

相当大きな瓦礫を突き破ったようで、もうもうと砂煙が立ち上っているなか、不自然に小さな瓦礫が目についた。

残念ながら、シオンの姿を見ることができない。

一方、蛇の方はちろちろと舌を出しながら、砂煙が立ち上っているほうに近づいていく。

胴体をくねらせながら進むので、リオルドのすぐ目の前を胴体が通りすぎ、改めてその大きさに驚愕する。

崖下には、ごくたまにこういう生物がいる。

崖下という閉鎖された場所のどこから出現してくるのか全く分からないが、時に街を襲うこともあり、東側にくるようならその退治もシオンが請け負うことも多い。

アリアが言っていたのはこのことかと思ったが、もしそうならシオンがリオルドを同伴させるとは思えない。

とはいえ、リオルドは少しでも蛇の標的にならない位置に逃げ込むことに集中した。


ガラリ、と目の前の瓦礫を避ける。

背中を強かに打ちつけたようで、ピリピリする。

細かい瓦礫を払いながらゆっくりとシオンは立ち上がった。

体中がピリピリするが、動けないほどではない。

いきなりのことだったが、両手には変わらずナイフもある。

刃もかけていない。

シオンは自分がぶつかり、おそらく本来の大きさの3分の1ぐらいになった瓦礫をのぼる。

砂煙が霧のように視界を遮るが、蛇がこっちに向かってきているのがわかった。

タッと瓦礫からおり、両手のナイフを腰に納めると、自分が乗っていた瓦礫から飛び出している針金を握る。

骨組みとして埋め込まれている針金は太いが、シオンはそれを数本まとめて力を込める。

小さくなったといっても、シオンの身長と同じくらいある瓦礫がわずかに地面から浮きあがる。

蛇の影はすぐそこまで来ている。

シオンは足を大きく踏み出し、右手に握った瓦礫を投げた。

砂煙を割いて、蛇の頭部に向かって弧を描く。

シオンからの視界は砂煙で良好とはいえないが、ごっ!という音と鳴き声なのか息をすばらく吐き出したような音がしたことから命中したことを知る。

続けて、シオンは瓦礫の山から投げたものの2周りぐらい大きな瓦礫に手をつける。

瓦礫というより岩に近い。

シオンはうまくくぼみを使って、それを担ぎあげる。

晴れてきた砂煙の向こうで怒り狂った雄叫びをあげる蛇を確認した。

先ほどよりもスピードを上げて、こちらに突進する。

そして、蛇はすぐにシオンの前に着くなり巨大な顎を開き、押さえつけるように上から襲う。

シオンは担いだ瓦礫を浮かすと同時に、その瓦礫を思いっきり蹴りあげた。

シオンは顎の軌道から横に飛び、蹴りあげた瓦礫は蛇の口へ押し込まれた。

思わぬ下からの衝撃に蛇は多少のけぞったが、瓦礫を口に挟んだまま地面に突っ込んだ。

これでまた派手に砂煙が舞い上がり、蛇の頭付近の様子がわからなくなるが、シオンの手はすでに別の瓦礫を持ち上げていた。

一方、蛇の胴体がじたばたと世話しなかった。

砂煙の中から蛇の頭がいつまでも見えないところを見ると、瓦礫を口に挟み込んだままどうしようもできていないらしい。

なんとか抜けようとしているのだろう、長い胴体が派手に暴れまわっている。

シオンは先ほどより小さいが先がとがった瓦礫を肩に担ぐ。

時には高さのある瓦礫と暴れる蛇の胴体を借りて、高く高く飛びあがる。

どれだけ高く上がっても、頭がはっきり見えるわけではない。

だが、白く伸びた胴体を辿れば見えずとも頭の特定はたやすい。

そして、シオンは瓦礫の先を蛇の頭に向かって投げつけた。


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