第68話「革命-上 王国の思惑」
ポケモンにうつつを抜かしすぎてゴッドイーター2微塵もやってません。いつやろうかな…。
アジトでの計画を決めた後、レジスタンスのメンバーは帰るべき場所へと帰って行った。しかし他の者とは違い、城へと向かう影が2つあった。士助を裏切り者と言った2人だ。小声でヒソヒソと何か話している。
「ククク…うまくいったな」
「ああ、アイツらすぐに騙されやがる。ちょろいもんだぜ」
この台詞から察するに2人はどうやらスパイなのだろう。嘲笑うかの様に小さく笑い夜道を歩く。
「にしても、仲間の顔も覚えてないとはな」
「いや、騎士長のおかげだろう。あの人からもらった『魔法』のお香とやらが…」
「『魔法』。って何だ?」
城へ向かう2人の前に黒いローブを着た男が現れた。言うまでも無く士助だ。夜風にローブの裾をなびかせながら目で威圧する。ただ立っているだけなのにとてつもない迫力だ。
「コ、コイツ…」
「へっ、何の事かさっぱりわかんねぇなぁ…」
士助に気付かれぬ様に少しづつ後ずさりしていく。
(いいか?俺が合図したら走るぞ)
小さく指示し、もう1人も目で頷く。
「嘘ついても無駄だ。自白しねえんだったら…」
「自白なんか…しねえよ!」
男は懐から取り出した発光するガラス瓶を地面に叩きつけると同時に士助に背を向けて走り出した!次の瞬間、強烈な光が視覚を支配し、鼓膜を突き破るような音が聴覚を支配した。言うなればフラッシュグレネードだ。
怯んだ士助を確認することも無く男たちは逃げ去ろうとする。そこへ、逃がさんとキルトが正面に飛び出る。
「とっ、止まれ!」
「このガキ…邪魔だ!」
後ろ腰に隠し持っていたナイフを取り出しキルトに容赦なく切りかかる。
「ひっ!」
殺されると本能的に恐怖し足の神経が麻痺して思わず腰を抜かし、地面に尻餅をつく。そこへ容赦なくナイフを振り下ろす。反射的に目を閉じる。
しかし、そこへ士助が目にも止まらぬ速さで移動しナイフを宙へと蹴り飛ばす。そして男を壁の方へと蹴り飛ばし、もう1人は腕を掴まれ同様に壁へ投げ飛ばされる。強く背中を殴打して、すぐに立ち上がることが出来ない。
「女子ども相手に刃物なんて、騎士様にはプライドっつーもんはねーみてえだな」
キルトを抱き起した後、男たちを縄で拘束して人目のつかない裏路地へと連れて行った。
街灯の光も無ければ、人気も無い裏路地に引きずり込んで逃げ道を塞ぐように立ち尋問を始めた。わざとフードを取り、しゃがんで目線を合わせる。男は正体を知っていたのか怯える様子は無い。
「まず、テメーらは国王のスパイだな?」
「………」
「目的は何だ。レジスタンスの混乱か?」
「………」
黙って質問にも答えず目も合わせようとしない。どうやら黙秘を続けるようだ。
「どうする士助?」
「決まってんだろ」
立ち上がり指を鳴らす。すると士助の周りに大量のナイフが落ちてきて、金属のぶつかる音が鳴り響く。正真正銘、本物のナイフだ。
「拷問だ…それも串刺し。勿論、急所は全て外す。大丈夫、刺しても抜かなきゃ大量出血で死ぬことはねー。で、お前達は何回刺されたら死ぬんだろうなぁ…?」
拾い上げたナイフが月光で光り輝く。キルトも怖くて顔を手で押さえる。士助の放つ全身が麻痺する様な殺意に声が震える。
「あ…あぁ…」
「さぁ…始めようぜ。拷問タイムだ…!」
ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
悲痛な叫びが夜の街路を走り抜け、夜空にこだまする。
結局。
1本も刺すことなく恐怖に負けて全てを洗いざらい話した。因みに男達は気絶させてゴミ捨て場に拘束したまま捨てて放置した。
男達の話した情報はこうだ。
曰く、少し前から騎士達はレジスタンスの存在は知っていたものの大した力は無いだろうと無い物と認識していたらしい。しかし、先日の士助侵入時に気絶させられた騎士2人から『ローブを着た奴』に襲撃された、という曖昧で不確かな情報が入った。いくら不意打ちとはいえ、武器も無しに大の男2人を素手で気絶させるのは並みの者では無い。そこで騎士長はローブを着た男を探した。
すると翌日、シオンのレストランに入って行くという情報をすぐに得た。ここで騎士長の中にレジスタンスをローブを着た男が接触しているという可能性がわずかに浮上した。
すぐさまレジスタンスへとスパイを送り情報の正誤を確認した。情報通り、案の定接触したのを知る。少し厄介に思った騎士長は逆にこの状況を利用することにした。
入って間も無く、信用の薄い士助にスパイの嫌疑をかける。そしてこの時、騎士長からもらった魔法の香という物を使い、匂いを嗅いだものを疑心暗鬼へと変えた。
何故かシオンは魔法にかからなかったものの、作戦通り士助は薄い信用すらも失い孤立。レジスタンスは混乱の渦へと落とされた。
アジトで立てた作戦通りに事を運ばせメンバーを全滅。その後に突撃してきた士助と騎士長が戦い士助を倒す。これらは全て騎士長が考案し、ローブの男の正体を士助だと知っていたとのことだ。
これが男達の話した全てだ。
「つまりだ。騎士長っつー奴は俺の事を知ってて1対1で戦って倒したい、と。てか、どこでそんな恨み買ったんだよ」
「それよりどうするの?多分レジスタンスの人達は考え直すどころか話しすら聞いてもらえないと思うよ?」
「ま、元々俺1人で片づけるつもりだったから良いよ。それより、お前に重大な任務を頼みたいんだけど」
「任務?」
「あぁ。んで、その任務ってのは…」
「えぇ!?そんなことするの!?」
「やりたくないなら強制はしない。キルトが決めてくれ」
「う~ん…う~ん…わかった。一応頑張るよ」
「おし、よく言った。俺もサポートするからな。じゃ、明日に備えて今日は寝るか」
「う~ん…うん」
宿へ向かい、その日は就寝した。明日はこの日が変わる日だ。今まで簡単に言っていたがそんな軽いものじゃない。覚悟を決めないといけない。
そして、騎士長とか言う奴。何か嫌な予感がする。
悪寒を胸中で抱きながら眠りについた。
果たして、革命の灯は光り輝く時は来るのだろうか…。
書いた後思うんですが同じ言葉何回も書いてて鬱陶しい気がするんですよね。みなさんはどうでしょうか…?




