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我龍転生  作者: キーダの滝
生き残った狂魔
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第45話「仲間として」

人気のある人の今を見た後その人の積み重ねを見ると泣けてきますよね。







「さあ…もう一度勝負だ…。」


ヒロトは手に力を集中させまるで実物のような禍々しい剣を創り出した。さっきまでの雰囲気とは一変し緊迫した空気が漂う。


「行くぞ!」


走り出し士助に斬りかかる。士助も応戦し、剣がぶつかり火花が散る。


(この狭い部屋じゃ流石にやりにくいな…だったら!)

「らあぁっ!」


剣で競り合いながらありったけの力で無理矢理押し戻す。ヒロトも踏ん張りが効かなくなり扉の前まで戻される。


「ぐっ…貴様ぁ…。」

「こいつで…どうだ!」


足を大きく後ろに引きガラ空きの腹に蹴りをくらわせる。


「がっ!」


狙い通り直撃。手すりを越えて大広間へと落ちて行った。後を追って士助も大広間へ降りる。


「随分戦い辛そうじゃねぇか。さっきのキックぐらいは避けれたんじゃねぇの?」

「ぐっ…なめるなよ!」


爆発的な脚力で一気に間合いを詰め、激しい攻撃を畳み掛ける。


「なっ…。」

(今のは悪魔が使う「ジャンプ」!そう考えると…)

「油断したな!そこだっ!」


ヒロトは士助の思考時間の隙をつきもう片方の手で二つ目の剣を創り出し脇腹を裂く様に振り下ろす。とっさの攻撃に反応が追いつかず行動がワンテンポ遅れる。


(もらった!!)


しかし


バン!バン!と銃声と同時に弾丸によって剣が弾かれ攻撃を阻止した。そのまま二発、三発と銃弾をかわし士助から遠ざけられる。


「大丈夫か虹色士助!」


銃を両手にサタナスが駆けつけて来た。ヒロトを前に二人は構える。


「騒がしいので来たが…一体どうなっている。」

「俺もよくわかってねーんだ。でもわかってるのは…ヒロトじゃなくて悪魔になっちまったことだ。さっきも剣を創り出したり高速移動もジャンプだった。」

「…なるほど。」


わずかなヒントで推測し、無理矢理ではあるが突破口を見つける。


「よし、今回は俺の指示に従え虹色士助。」

「士助だ!虹色士助じゃなくて士助!」


こんな時になんだ、とは思ったがサタナスは理解した。ここで、士助を、仲間として認めるかどうかがかかっている。目の前にいる相手は味方だが協力して取り戻すために、認めて戦うことをこの場で誓うのだと。フッ…と小さく笑い


「あぁ…共に行くぞ士助!」


掛け声で走り出す。先陣を切って剣を振る士助。しかし、先程までとは違い攻撃を的確に見切りかわす。そして隙を見てヒロトも剣を振る、がサタナスが妨げる。一進一退の攻防の中サタナスがある作成を思いつく。


「士助…いい方法を思いついた。奴を挟む様に直線に配置し何も考えず突っ込め。」

「なんだよそれ…本当に大丈夫なのか?」

「信じるから信じろ!」


この言葉で士助に衝撃が走った。うんうん、と頷いた後答える。


「わかった。任せるぜ!」

「よし、開始だ!」


指示通りサタナスと対になる形で位置に着く。そして、互いに武器をしまい素手になる。


「なんのつもりだ貴様…。」

「なんのつもりかって…こういうつもりだ!」


同時に走り出し突撃する。本当に何の考えも無く突っ込む。士助は少し不安だった。しかしサタナスを信じたのだ。必ずヒロトを取り戻せるはず!


「馬鹿にするなよ…迷うことなど無く!」


狙いを定めたのは士助!突き貫く様に剣を後ろに引き待ち構える。


「虹色士助!貴様を倒す!」


しかし、対の位置にいるサタナス。この瞬間にジャンプを使い一気に間合いを詰める。最初から士助を狙うと思い実行した。この作戦には裏がありあらかじめスタートのタイミングを士助よりほんのわずか遅らせたのだ。先程の回避を見ると目が慣れた証拠。予想通りわずかなタイミングも逃さず士助を狙った。これによりサタナスが狙われる事無く攻撃を仕掛けることが出来たのだ。


「なっ!」

「もらったぁ!」


ホルダーから銃を取り出しグリップで後頭部を殴りつける。


「うっ…。」


よろけたところに士助も追撃のボディーブローをくらわせる。この一撃で言葉も失い前のめりに倒れた。




「大丈夫だよな…?」

「死んではいないだろう。」

「そゆことじゃないっつーの…。」


緊迫した空気も解け腰を抜かす士助。地面なやそのままへたりこんでしまった。と、そこへ加奈が何事も無かった様にやってきた。


「あ、終わった?」

「軽すぎ…終わったよ。」

「そ。」


そのまま二人の横を通り過ぎて奥の通路へと消えて行った。


「「………………。」」


黙った後


「とりあえずヒロトを医療室へ連れてくか。」


ヒロトを背負いつつ二人も通路を通り医療室へ向かった。










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