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我龍転生  作者: キーダの滝
生き残った狂魔
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第43話「花の真実-1」

ちょっと今回から変わり種で行きます。得意じゃないのに慣れないことはするべきではなかった。


Twitter:kidanotaki_7










ジリリリリリりリリリ…


目覚まし時計の音が部屋に鳴り響く。時計は机の上にありベッドからは離れている。

そんなことも気にせず布団の中の士助は起きる気配が無い。


ジリリリリリリリリリ…


「zzzzzzz…」


ジリリリリリリリリリ…


「はぁ…うっせえなぁ…」


気だるそうに体を起こし時計を止めに行く。しかし、ベッドから降りようとした際に何かに引っかかる。


「あ?これ…」


よくみると士助の寝ていた隣によくわからない膨らみがある。というかまあ花である。布団をゆっくりめくるとやはり花がいた。が、下着姿だった。


「……………」


あれ。これ、もしかしてこれ…まさか…

昨夜…おたのし


と心の中で言いかけた途端花を起こす。


「おおおおおおおい起きろ!起きろ!起きて下さい!」


花も同様にだるそうに体を起こし士助の方を見る。


「なんや…?」

「いや、さ…あのー。俺は昨日のこと覚えて無いんだけどさ…。なんというかですね。」

「?」

「あ、いや。待て。ところで何故お前は服を着てない?」


士助は落ち着いて現状を確認する。というか遠回りに理由を聞いた。


「ああ…昨日は暑かったから…」

「暑い?」

「うん。」


暑い?今の季節は春。決して暑くないというわけではないが昨日の気温はそれほど高くは無かった。夜は尚更だ。なのに暑いとは…。少々の疑問は残るもののまあアレでなくて良かったとそっと胸を撫で下ろす。


落ち着いたのか制服に着替えてる最中にふと疑問がまた浮かび上がってきた。


「なあ、花。お前の体さ。なーんか傷が多く無いか?」


よく見ると鞭でたたかれた様な引っ掻き傷が所々見られる。


「え、あ、あぁ…いや、これは、さ。なんというか…」


急に口ごもりそれからめっきり喋らなくなってしまった。


それから投稿中も授業が終わってもいつもの様に士助のところへは来ず席でじっとしていた。



昼休み


花は作ってもらった弁当を持って屋上へと向かった。それを見て士助も後に続く。

珍しく授業も早く終わったので花が一番、士助が二番目だった。

花がこちらに気づいて話しかける。


「あ…な、何?」

「わかってんだろ。朝の事だよ。」


士助は険しい表情で問いかける。花が顔色変えて話さないほどのものだ。問い詰めるのは嫌いだが明らかにただの怪我で済むものでは無い。


「本当に言えねーの?」

「……………」


花は黙り込んでしまった。時間が過ぎて行く中それを見兼ねた士助が再度尋ねる。


「別にさ、言えないならそう言ってくれていいんだぜ?俺もこーゆーの好きじゃないし。だからそこだけハッキリしてくれれば後はどーにも…」

「軽蔑…」

「ん?」


花の顔は悲しい顔をしていた。以前から見せていた元気な花とは違い真剣な顔つきだった。


「軽蔑とか…せえへん?」

「あー…まあとりあえずそこらへんに座ろうぜ。立ち話もなんだしさ。」


屋上にあるベンチに二人は腰掛け花が話し始める。


「実は、さ。うち悪魔じゃなくてヴァンパイアやねん…」

「ヴァンパイア?って言うと悪魔と争って負けた、とかなんとか言われてる種族か。何でも絶滅したって聞いたけど。」

「うん…そのたった一人の生き残りがうちやねん。話すと長くなるやけど…。」


辛い表情で花は全貌を明かした。


確かに悪魔とヴァンパイアは争っててん。ずっと五分五分の戦いが続いてたんやけどそこである事件が起きたんや。それが同族の裏切り。攻める時間帯とか休息する時間帯、手薄になってる防御部分とかを悪魔に密告した奴がおってん。そのせいで悪魔にヴァンパイアは負けて絶滅したって言われてる。


「うちの体の傷はその時についてん。とは言っても今はそんなに痛くないで。アハハ…。」


無理に作ったぎこちない笑顔で士助の方を見る。士助はそれに真剣な表情で返す。


「なるほどな…その傷はわかったけどさ、なんで軽蔑とか俺がするわけ?」

「え…っと、それは…。」

「聞いてるだけじゃあさ、裏切り者が出て負けた事とは結びつかないっつーかさ、まああんまし深入りはしないけどさ。」


花の表情がいっそう悲しい顔つきになった。


「その裏切った奴…うちの兄貴やねん。」

「………………」


驚いた様子も見せず士助は黙って聞く。


「そんで裏切ったのが兄貴って皆に知られた時一族の掟でうちが罰を受けてん。」

「罰?」

「うん、それが永遠の苦痛って言う罰。一族には生まれた時から肉親の責任を背負って生きてかなあかんねん。だから家族で唯一生きてたうちがその永遠の苦痛を受けてん。」

「その永遠の苦痛ってのは?」

「名前の意味通り。ずっと全身に苦痛が走り続けるねん。死ぬまで、いや、死んでもずっとかもしらん。それでうちはずっと倒れてたから悪魔も殺さんかったんやと思う。今思えば助かったんかも知らんな…ハハ…。」


また無理な作り笑いを見せる。それに呆れて士助は花の頭に手を置いた。


「お前が作り笑いなんかしてると無理してるのがわかるよ。でもさ、なんの縁か知らんけど俺と一緒にいるんだ。無理して強がらなくても泣きたかったら泣けばいいし怒りたかったら怒ればいいじゃん。変に明るい方が嫌だしな。」

「べ、別に無理してるとかそんなん…」

「してるよ。笑ってんのに泣きそうだからわかる。もうちょっと自分に正直に生きようぜ。な?」


聞いている花の顔は今にも泣き出しそうな顔をしている。どころかすぐに目から涙が溢れてきた。


「うち…うち…でも…」

「ま、こういう時ぐらい泣きついて来ても迷惑じゃ…」


と、すぐさま抱きついて泣き始めた。


「本当は…ホントは…辛かったよぉ…痛かったよぉ…士助ぇ…」


自分で言ったのにどうして良いかわからずただ花の頭を撫でていた。屋上にいた周りの生徒が全員とこちらを見ている。


(う、うわぁ…恥ずかしい…)


結局、


泣き止む頃には昼休みが終わっていた。


まだ聞きたいことあったけど…まあ家に帰ってから聞こうか…

ちょっと余談なんですけど自分が話したいことって結構あったりするんですけどそーゆー機会とかあんまり無かったりします。もしこのあとがきを読んでいて且かなり暇で且テーマなや興味がある人は同日投稿する活動報告をご覧ください。

今回はゲーム「ペルソナ」についてちょっと語る。

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