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我龍転生  作者: キーダの滝
生き残った狂魔
44/82

第41話 士助「気絶しそう」

変わった題名です。大きい意味はないとだけ言える。中身を読んで理解してください。






あらすじ

悪魔と同居することになって一日中寝込んだ。 士助



─────千里邸


朝になった。すずめがチュンチュンと鳴いている。士助はベッドから引きずりおろされ床で寝ていた。自分のベッドではサキュが寝ていた。むかついたので布団を奪い取った。すると、ゆっくりとサキュが目をさました。


「なにすんねん…もう少し寝させてや…zzz」

「寝てんじゃねーか!ええい、そこをどけ!」

「イヤ!」


時計は6時を示している。いつも2時間後に目を覚ましているので士助は寝足りない。サキュも譲らんと必死にシーツにしがみついている。サキュを引きはがそうとする士助。両者朝方から激闘を繰り広げている。




─────結局8時


あの後。引きはがすのに失敗した士助は諦め制服に着替え顔を洗い歯を磨き朝食をとった。そして再び士助の部屋に戻ってくるとサキュが消えていた。部屋は何も変わっておらずサキュだけが居なかった。おかしいと思い部屋からでて周辺の使用人に尋ねてもわからない、と答えられた。ヒロトに尋ねても


「あの同居が消えたぁ?」

「そーそー。ちょっと前にはいたんだけど学校の準備してたら消えたんだよ。おかしいなー…」

「加奈様には聞いたか?」

「なんで加奈?」

「加奈様はこの屋敷で起こったこと全てを把握しているからな。監視カメラナシで。」

「なんだよそれ…もう人間やめてるだろ。」

「それは言えてるが…」


その瞬間、士助の背筋がゾクッとする。いつの間にか後ろに加奈がいる。それも包丁を持って。


「誰が人外って?」

「ハハ…じょ、冗談きついっすよ加奈先輩!だからその凶器で殺すのはやめてくださいお願いします。」

「仕方ない許す。」

「許しちゃったよ。刺さないんだ。なにか今日いいことでも?」

「ええ、外出するからね。」

「…………え?」


ヒロトが凍てつく。士助は頭に?を浮かべている。


「え?本気?本気で言ってます?」

「ええ。」

「え?本気?本気で言ってます?」

「ええ。」

「え?本気?本気で言ってます?」

「何回やんのよ、殺すわよ?」

「待って待って待ってやめてやめて。それにしても本気だとは…最悪人は殺さないでください。」

「今、ここでアンタを殺すわよ?」


さっきからなにこのやり取り、と士助はただ見つめてる。すると、厨房の方からガシャーン!と大きな音が聞こえてきた。


「オイオイ、何だよ今の…」


厨房に向かう士助の前に一瞬で加奈が立ちはばかる。包丁を向けて。


「行かなくていいから。活きの良い獲物が入っただけよ。」

「いや、でも今のはさすがに…」

「い い か ら。」

「あ、ハイ。そうですよね行かなくていいですよねわかりました行きません。」

 

加奈の威圧に押されて行くのをやめたが、本心かなり気になっている。一体厨房で何が…。真相は闇の中となった。


ところで、士助は忘れていたサキュの事を思い出して加奈に尋ねてみた。


「同居のことなんて知らないわよ。住んでると思っていいかどうかもわからないし。」

「そうか。」


結局のところわからずじまいになってしまった。いつまで悩んでも仕方なかったのでとりあえずヒロトと学校に行くことにした。







─────千里一星学校にて


朝から教室が騒がしい。何かあったのだろうか?聞き耳を立てると


「今日転校生がくるんだってー!」

「そうそう!それも4人!」

「そのせいで鈴木クンと鈴来クンと鈴気クンと鈴樹クンがクラス移動させられたんだって。」

「そうなんだー。どうりで朝からスズキ軍団を見かけないと思ったら…」

「スズキ軍団が従うしかないぐらい大きな権力を持った人が転校してくるなんて…」

「恐ろしいわ…」


女子の話が聞こえた。転校生が来るのか…と教室の左隅の席に座っていた士助は思った。前にはヒロトがいる。因みにスズキ軍団は士助の隣とヒロトに隣、加えてヒロトの前2席に居た。(ややこしい)


「転校生、か。なるほど、この騒ぎはこれが原因か。」

「確かにスズキ軍団が居ない…いつもは教室の中心で踊り狂ってるアイツが…」

「え、いつも廊下でじゃないか?」

「いや、ソイツは鈴木で俺が言ってるのは鈴気の方で…」

「いやいや。ソイツが鈴来で俺が言ってるのは鈴樹で…」

「いや。鈴木は鈴来と鈴樹で鈴気が…」

 

キーンコーンカーンコーン


チャイムが教室に響く。皆各々の席に座るとしばらくして花主先生がやってきた。


「ハイ、皆おはよう!知ってるかもしれないけど今日、転校生がやってきます!それも4人!にぎやかになるわね。その為にスズキ軍団は犠牲になったけど。それじゃ、入ってきて。」


こ の 瞬 間


士助は目を見開いた。加え気絶するほどのショックが全身を襲う。今までに無いくらいの大きな衝撃が。その正体は


「それじゃあ自己紹介してもらおうかな!」

「千里 加奈。よろしく。」

沙汰那さたな 恐也きょうや…」

「え、えっと…詩柄うたつか 美香みかです…よろしくお願いします…」

炎魔えんま はな!よろしゅう!」


この4人。上から順に 加奈、サタナス、ミカ、サキュ。ハイ、恐ろしいですね。士助は固まった。


え、

なにこのひとたち

なんでこんなじょうきょうに

あれあれあれあれおかしいぞ

あたまがぱんくすんぜんだ りかい できないぞ !


バタン! 


せんせー、士助クンが気絶しましたー。

保健室に連れていってあげて。








─────保健室


「う、う~ん…ここは一体…」


目を覚ますとそこには白いカーテンや並べられた薬品があった。どうやら保健室のベッドの上のようだ。最初に見えたのはヒロトだった。


「ここは保健室だ。大丈夫かお前、いきなり気絶して…」

「いや、悪夢が…奴らが…」

「本当に大丈夫か?もうただの痛い人にしか見えないんだけど…」

「そうよ、いきなり。ダメダメの貧弱な奴ね。」


ヒロトに隣に足を組んで座ってる加奈がいた。その隣にサタナス、ミカ、サキュと順に。


「これは夢のはずだ…もう一度…」

「なにふざけたこと言ってんのよ。死にたいの?自殺志願者なの?」


再び寝ようとした士助の首を片手で掴んで持ち上げる。士助はぐええ、と声を上げてもがく。それをミカが慌てた様子で見ている。


「いい加減現実を受け止めなさい。じゃないと殺す。」

「ぐううう…わかった…わかったから放してください…」


ぱっと手を放し士助はベッドの上に落ちた。げほっげほっと咳き込んだ士助は勢揃いの面子を見回す。


「自分、質問いいですか?」

「どうぞ。」

「なんでここにあなた達がいるんですか?」

「話すと長くなるので答えません。」

「長くなっていいから!いいからお願いします!」

「チッ…うぜえな…」

「アンタホントにお嬢様?」

「じゃあ、回想入りまーす。」

「アンタホントにお嬢様?」






出来事は昨日の夜に起きた。士助がショックで寝込んでヒロトも就寝したあと。加奈は部屋で1人で椅子にもたれながらぼーっとしていた。部屋には拷問器具が散乱している。明かりもつけずにただぼんやりしていると突然何もなかった場所に黒い穴が現れた。加奈は何一つ不思議がることせずにその空間を見つめていた。しばらくしてそこから知っている人物が現れた。

案の定、虹色庵次。だったが加え2人出てきた。それが、サタナスとミカだった。


サタナスは悪魔が進行してくるのなら備えておいてもいいだろう、とのこと。

ミカは士助と一緒の学校に行けるから、とのこと。


承認するまでにはかなりかかったらしいが無事承認してもらった。


因みに


サキュはその時ドアの前で盗み聞きしていたから。それだけ。ただの便乗ですね。


朝の厨房は3人に朝食を作ってやろうと加奈が料理していたのだが席を外していた間にサキュが暴れまわったそうだ。




「それ以外特に言う事はありません。」

「僕は 加奈を 疑う !」

「死にたいのね。」

「待って!だってそうだろ!なんで許したの?あと、なんで加奈が来てんの?」

「いちいちうるさい奴ね。別にいいでしょ、来るの許したって暇で来ても。」

「どれも納得いかない!」


チッと舌打ちをして士助の後ろ襟を掴んで廊下へと引きずって行った。

10分間士助の悲鳴が聞こえた。








休み時間(2時間目)


士助はとりあえず1人1人に理由を聞いていくことにした。まずは、超違和感バリバリの学校に通うと思ってなかったサタナスを訪ねた。サタナスはヒロトの前の席にいる。


「オイ、サタナス。」

「何だ虹色士助。」


2人は互いに睨み合いしばらくして士助が口を開いた。


「何で…何でお前が学校来てるの?」

「フッ、愚問だな。」

「何だと?」


サタナスは席から立ち上がり廊下に連れ出した。


「何で廊下?」

「聞かれるとまずいからな。ここの連中に鵜呑みにされては困る話だ。」

「ここの人たち皆アホだけどね。」


事実アホである。


「ここにいる理由。さっきあの女が言った『悪魔に備える』これは、まず1つだ。もう1つはお前との連携だ。」

「俺との?」

「そうだ。今回俺達は利害の一致という形で協力関係だ。共闘するのならどちらかが戦闘を開始した場合すぐに駆けつけれるようでなくては協力の意味がないからな。寝食とまでは言わんがこの学校に居る間は情報の共有、戦闘参加。この2つは守るべきだろう。この際2対1が卑怯とも思えん。」

「なるほど。頭いいなお前。」

「お前よりはな。」


サタナスの発言に少しイラっときたがとりあえず落ち着く。まずサタナスの理由を解決できた。

それにしてもコイツこんなやつだっけ?



休み時間(3時間目)

今度はミカに尋ねてみることにした。ミカはヒロトの隣に居る。士助は斜め後ろから声をかけた。


「おい、ミカ。」

「は、はいっ!」


ミカはいきなり声をかけられ肩を上げて驚いた。


「そんなに驚かなくても…」

「な、なにかな士助クン…」


ミカは焦りながらも必死に作った笑顔を士助に向ける。


「なんでミカは学校に来てんだよ。戦うの嫌いなのに。」

「あ…えっと…わ、私は…そのぉ…」


ミカは何故か涙目になっている。なんかまずいこと聞いたかな?疑問に思って質問を変えてみた。


「じゃあさ、なんでこっちの世界に来たの?」

「えぇっとぉ…だから…その…」


ああ…なんかもう…。士助は原因のわからない罪悪感に見舞われ結局聞くのをやめてしまった。ミカもその後いっぱい謝った。



昼休み


士助は弁当を持って屋上に来ていた。5人で。サタナスはその場にはおらずなんでも食料を調達しにいくとか。今朝の朝食も同様だったらしい。


士助が弁当を開いて食べていると右と左から視線を感じた。右には日傘をさしているサキュ。左にはミカ。2人とも物欲しそうな目をして弁当を見つめている。


「……何?」

「えへへ、その弁当美味しそうやなぁ。欲しいなぁ。」

「いや、お前弁当持ってねーの?」

「持ってません!」

「ミカは?」

「あ…わ、わたしも…」


というわけで士助は弁当を3等分して2人に分けてあげた。その後、購買で買い物を済ませたサタナスも混ざり人数がにぎやかな食事となった。


食べ終わりサキュに話を聞いた。サキュの教室の席はサタナスの隣になっている。


「なあ、なんでお前は学校来てんの?」

「お前やのうて花って呼んでや!」

「サキュじゃないんだ。なんで花は来たのさ。」

「ウチはなぁ、暇やから!」

「そんだけ?」

「士助と一緒に居たいから!」

「俺と?なんで…」

「色々あるねん!気にせんといて。」

「ふーん…というか、なんで傘さしてんの?」

「え。あぁ…いや、これは…日が…日が眩しいから、とか…」


さっきまでの勢いを無くし急に口数が減って会話をやめてしまった。気になったが掘り下げる必要もないだろうと判断して聞くのはやめた。


そ し て


1番関係がなくて、1番理由がわからなくて、1番怪しい、加奈に聞いてみることにした。

教室では士助の隣という恐ろしい席になっている。授業中は油断したら殺される、と思いながら授業を受けている。


「な、なぁ加奈。」

「何?」


士助は勇気を出して聞いてみることにした。


「なんで学校に来てんの?いや、来てるんですか?」


怖すぎて敬語になる士助、押しつぶされそうな視線を受けながら頑張って尋ねた。加奈は黙りながら士助を見つめている。こ、怖えぇ…聞かなきゃよかった…そう思っているとやっと口を開いた。


「暇って言わなかったっけ。」

「い、いやぁ…それ以外は特に無いんですか?」

「…………何で聞くの?」

「いや、やっぱいいっす…すんません、生意気言って。」


士助は押しつぶされ追求するのをやめた。改めて恐ろしさを学んだ。もういいや、と思っていると加奈の方が口を開いた。


「アンタがいないと家に居るのも面白くないの。どうせならってことで来てるの。そんだけ。」

「?それは一体…」

「もうこれ以上は答えないから。」


加奈はその後士助の背中にもたれて寝てしまった。どういう意味なんだろう…後ろの加奈について考えさせられた。




放課後…


結局正当な理由が聞けたのはサタナスだけだったな、と呟いていると他の5人が来て一緒に帰ることになった。ミカやサタナスは千里邸にそれぞれの部屋が用意されたらしい。あれ、なんかおかしい。

そんなことを考えながらぼんやりと夕日を見ながら帰った。


たまにはこんな平和な日があってもいいなぁ…








なんだか無理やり言い終わり方にしてみました。続けて3話分改善しておきました。

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