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我龍転生  作者: キーダの滝
生き残った狂魔
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第39話「疾風の龍」

夏休み頑張ると言う大嘘。一応この「我龍転生」のプロローグ~3話まで新しくしてみました。結構変わってるので一度見ておければ幸いです。リアルは忙しいです。そうじゃないかもしれない








「お兄ちゃんキーーック!」


強烈な回し蹴りをくらいドガッ!という打撃音と共に飛ばされたのはビット、だったロボ。王国跡地に残った瓦礫に強く叩きつけられる。科背は華麗に着地を決める。


「まったく…危ないヤツだネ」

「兄ちゃん…なんでここに…?」


士助は驚きを隠せず尋ねた。科背は遠くにいるサタナスの方向に目を向けた。


「それよりなんで悪魔と一緒にいるんだい?敵なんだろ?」

「イヤ、アイツは…」


と言いかけた所で倒れていたビットが立ち上がる。壊されていた部分は既に直っていた。


「まあ、いいヨ。とりあえずアイツ倒してからネ」

『ターゲット変更、乱入者を排除します』


ビットはこちらに左手を向ける。手の甲から小銃を出して弾丸を飛ばし続ける。科背は軽い身のこなしでかわす。ビットは銃撃を行いながら科背との距離を詰め右手から出した剣で首を狙い切りつける。しかし、科背は上半身を後ろに反らしてかわす。そのまま後転してビットの顎を蹴りつける。ぐらついた瞬間を狙い腹を蹴りつけた。吹っ飛ぶと思いきやその場でビットは踏ん張る。肩部分から現れたアームに科背は掴まれ身動きが取れなくなった。


「おっと。油断したカナ?」

『目標の捕獲に成功。排除します』


腹部分の装甲が開き中から無数の筒が現れる。筒の中が光りだすと、科背は暴れ始めた。しかし、アームの力は予想以上に強く中々離さない。科背の頬を汗が流れる。


『充填完了。発射します』

「だったら…!」


カッ!と大きな光と共に放たれたのは強力なレーザー。光に包まれ2人が見えなくなる。


「兄ちゃん!」


士助は名を呼んで走り寄る。光が消えると次は大きな煙が遮る。煙を手でかき分けながら士助は近寄り人影を確認する。1つ。1つだけ確認できた。


「科背兄いちゃ…」


だがそれは科背よりも大きな体型。それに加え機械音すら聞こえる。煙から出てきたのはビットだった。


「な…」

『ターゲット変更。目標を捕獲します』


銀色の装甲をした右手が士助に伸びる。後退すべきだと踏んだが何かに足を掴まれ引っ掛かり後ろに倒れてしまう。


「なんだよ…!」


掴んでいるのは機械の左手。接続部分がバチバチと電気を放出し、コードが動いている。


「くっそ…だったら!」


刀を出して切りつける、が厚い装甲に阻まれ攻撃が止まってしまった。もがいても一向に逃げれる気配はない。そして、振ってくるビットの拳。


「させるか!」


しかし遠くからサタナスが銃を放ち軌道を反らす。拳は士助の顔の横を殴りつけた。地面にめり込むほどの威力。士助も危うかっただろう。そして、サタナスは士助の足を拘束していた左手に弾丸を放ち破壊する。それを機に士助も後退して距離をとる。


「油断するなよ…相手が何者かわからないからな」

「悪いな、にしても…」


士助の足を掴んでいた機械の左手。遠くからよく見ると確かにビットの左手が手首から先がなくなっている。一体光の中で何があったのか、科背はどうなったのか。この2つの疑問が士助の頭をよぎった。しかし、士助の予想を、遥かに上回り、その問題は解決する。


風足フウソク-韋駄天!!」


その声が聞こえた瞬間、ビットに何かが当たり体制をくずした。とても速く視認は出来なかったものの士助は声の主を確認できた。


「科背兄ちゃん!」


自分たちとビットを挟んで対象の位置に科背はいた。服も少しボロボロにはなっているが無事そうだ。速い足取りで士助たちの前に出る。


「士助。アイツはボクの獲物だから手出しはしないでくれヨ。久々の相手だしネ」

「あ、ああ。わかったけど、何があったんだ?」

「…ボクはアイツに掴まれてから…」











アイツのアームから外れようとして暴れていたんだけど中々離さなくてね。だから、アイツを蹴り飛ばそうとしたんだ。だけど


『充填完了。発射します』


ちょうど発射しそうになった時にアームから逃れることが出来たんだ。だから体を右に移動させたんだけど左手に掴まれてね。だから、手首を本気で蹴って手ごと放したんだ。そのせいで少しレーザー受けちゃったけど。まあ、大したことはなかったよ






「と、まあこんな感じかな」

「あの一瞬の間にそんなことが…」

「ま、とにかく。アイツを倒すからさ、それまで2人で仲良く休憩でもしてなヨ」

「わかった、頼んだぜ兄ちゃん」


士助、サタナスは距離をとって戦闘に巻き込まれないようにした。


『ターゲット再変更。排除に移行します』

「さあ来いヨ。スクラップにしてやるからサ」


再び戦いが始まる。ビットは素早く剣で切りつける。変わらず科背はかわし続ける。しかし、今度は方からアームが現れ掴もうとする。一瞬、反応が遅れそうになるもののギリギリでかわす。科背は足払いを狙うがビットはジャンプでかわす。激しい攻防が続く。攻撃、回避、攻撃、回避。先に一撃加えた者が有利になる戦いで科背が先に動いた。


「隙アリ!」


強烈な立て振りを逆立ちの体制で剣を足の甲で受け止めもう片方の足で刀身を壊す。続いて側頭部を足で掴み頭を地面にたたきつけた。科背は立ち上がり相手を確認する。


「もう終わりカナ?案外あっけないネ」

『…………………』


反応がない。死んだのだろうか。しかし、科背は油断していなかった。案の定動きだし


『リミッターを解除します。速やかに排除します』


と、次には破壊された右腕は修復し数秒で元の形に戻った。さらには、小銃、剣、アームも現れ相手も本気という訳だ。


「面白そうだネ…もっと楽しませてくれヨ」


しかし科背は驚かずむしろ楽しんでいる。玄龍族は戦いを好む。本能が騒ぐのだ。


『全ウェポン解放。出力上昇』


背中からミサイルポッドが現れ全弾発射。かわそうとするもののどこまでも追尾してくる。それに加え小銃にビーム。多数の攻撃もかわしきれず1発、2発と立て続けにしまいその隙をつかれ剣撃をくらい、ミサイルをくらい、ビームをくらった。全弾命中。だが科背は立っている。玄龍族の底なしの体力と鋼の鎧があるおかげだろう。ここで科背はある行動に出た。


「中々やるネ…でもさ、もういいや。さっさと壊すことにするヨ。面白くなかったヨ」

『理解不能。排除続行』

「わからないヨ、お前にはネ…」


ビットは地面を蹴って剣を構える。科背はゆっくりと足を後ろに引き、何かを蹴るモーションをした。

         バガァァァァン!!

するとビットはその何かに当たりのけぞる。


「風足-逆風」


科背はニヤリと笑っている。ビットは考えた。脳の中で数々のパターンを検索した。しかしインプットされているものの中ではどれも違う。他のパターンを作成してもあてはまらない。これだけでショートしそうだ。だから考えることを停止し、ただ壊すことに集中した。


『思考回路遮断。攻撃以外の行動を停止します』

「もう…遅い!」


科背はビットの目の前から消え残像が残るほどのスピードで翻弄した。ついて行けずミサイルを乱射し小銃を放ち剣を振り回すもののかすりすらしない。


「もう無理みたいだネ。終わらせようか…」


残像の1つ1つがキックをした。ビットの周りに風が纏わりつく。ヒュンヒュンと風を切る音が聞こえる。


「あれは…何をしているんだ?」


サタナスが士助に問う。士助は冷静に質問に返した。


「兄ちゃんは〔風〕を蹴ることが出来るんだ」

「風を…?」

「ああ。俺にも原理とかよくわかんないけど。風ってのが空気中にはどこにでもあるらしい。それはどんな形にもなれるし硬度も変えれるし…でも目に見えるのは兄ちゃんだけで普通に触れるのも兄ちゃんだけ。だから、皆よく知らないんだ。でも前に言ってた。『風は衝撃を変えることなく運んでくれる』って。だから兄ちゃんはキックの衝撃を風を伝って相手にぶつけてるんだ。それに加えて風を固形物として飛ばせるし…俺はあんまり理解できないけど、とにかく強い!無茶苦茶強い!これだけは自信持って言える。」


道理で…サタナスは遠くからビットに攻撃することが出来たのも、何もないところを蹴ったりしているのにはそのようなカラクリだあったのだと理解できた。それに虹色士助が強いと言ってるのだからこんなところでは負けはしない。士助と同様に確信した。


『ターゲット確認不可能。サーチを行…』

「風足-鎌鼬かまいたち!!」


下から舞い上がる風がビットを切り裂く。厚い装甲を徐々にバラバラにしていく。5体が離れ空に舞いあげられた。ドサドサと地面に落ちて、頭が足元に転がってきた。


『緊急シ…ル…88…8』

「もうちょっと楽しませておくれヨ…ツマラナイ」


思い切り踏みつぶし完全に機能を停止させた。科背の勝利。勝負はついた。











所々変な気がする。これからもちょいちょい序盤から新しくしていくので活動報告の確認お願いします。


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