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我龍転生  作者: キーダの滝
生き残った狂魔
39/82

第37話「禁忌呪解」

本当に久しぶりです。どうもへたれです。

いや、無理やって!3話とか無理やって!無理やったって!

言い訳はさておき次話をどうぞ。詳しくはあとがきにて。








「死ねぇっ!」


ベルゼビュートは右手、ライオンの頭をかたどった大砲をこちらに向けてエネルギーを集中させ、左手を後ろに回した。サタナスはそれを見て勢い良くベルゼビュートの方へ走り出した。


「何度も同じ手は通用せんぞ!」

「それはどうかな…?」


サタナスは二丁拳銃を腰のホルダーにしまいフォースで剣を作り出しベルゼビュートに切りかかろうとした。


「やっぱりお前は…バカだっ!」


振り下ろされるサタナスの剣をベルゼビュートは後ろに回していた方の左手をいつの間にか剣に変えて防いだ。


「あいかわらず変わった野郎だ…」

「フン!そらよっ!」


ベルゼビュートは剣を一振りしサタナスはそれをかわし距離をとる。


「右は王の威厳ありし姿、キングイノセンス!左は神がもたらす力、ゴッドブレイド!」

(成程…近づいてもいけない、離れてもいけない。ならばどうするべきか…。)


サタナスは対策法を考えながらもベルゼビュートと一定の距離をとる。


「来ないならこちらから行くぞ!」


ベルゼビュートはキングイノセンスをこちらに向ける。すると砲口の奥から4つの筒がまとまって現れた。

筒の一つ一つは大体直径5cm程度でガトリングの様な仕掛けになってある。


「喰らいなぁ!」


筒がギュルギュルと回り始めるとしばらくしないうちに弾が飛んできた。サタナスの見たところ弾の形は後部から前部にいくにつれ細くなっており先端は尖っているということがわかった。それに加えわかったことがもう一つ、その弾が実弾であることがわかった。ベルゼビュートの体の一部であるにもかかわらず銃弾が発射されていた。弾はかわせないスピードではなかった。なので上に飛んでかわした、がその先には左手が振り上げて待ち構えているベルゼビュートがいた。ヒュンと空を切る音。間一髪フォースで盾を作るものの一撃で粉砕、貫通してゴッドブレイドがやってくる。


「ならば…」


その言葉と同時にサタナスは黒い闇に包まれ、ベルゼビュートの一振りは闇を貫通しからぶった。闇の形は球の形をしており発生してから間もなく上から消えていく。その中からは大きな黒い翼、鋭く尖った爪、狂気に満ちた眼差し、長い尻尾、巨大な二本の角、それらを兼ね備えたラーズ・サタナスが現れた。サタナスはゆっくりと翼を羽ばたかせて地面に立った。


「ファースト・ディアブロ…反撃と行こうか」

「クキキ…その姿になったか。だが、俺の敗北は決してない!お前を殺す!」


お互いににらみ合い相手の出方をうかがっている。まず、先に仕掛けたのは──サタナス。勢いよく地面を蹴ってベルゼビュートとの間合いを一気に詰めた。しかし、ベルゼビュートの反応は遅れず一歩後ろに下がって左手で薙ぎ払う。サタナスはそのわずかな瞬間にしゃがみ両手を地面につけ後ろ蹴りをベルゼビュートの腹に叩き込む。そこから、サタナスの連続攻撃が始まった。後ろ蹴りに始まり肘打ち、掌底、膝蹴り、足払い、踏み潰しと次々に攻撃を仕掛ける。あまりの速さにベルゼビュートはついていけず、ただ攻撃を受けるばかりだった。


「これが最後だ」


サタナスはベルゼビュートを軽く蹴り上げ宙に浮かせた。そして、士助戦の時にも使用した小さなナイフを作り出した.姿形は小さなナイフそのものだったが何かおぞましい物をベルゼビュートは感じ取った。


「コイツの怖さは知っているんじゃないか?」

「クキキ…まずいな…」


サタナスはゆっくりと構えてベルゼビュートがナイフに当たるタイミングを見計らい、そしてまさにナイフの投擲線上に来た瞬間ピッと払うように様に優しく投げナイフはベルゼビュートに刺さる。


「さよならだ。爆発しろ。」


その瞬間広域に渡って無音の爆発が起こった。それは黄色く眩しくそして、美しく輝いた。爆発後、中からベルゼビュートが地面にドスンと思い音を立てて落下した。その後しばらくしてゆらりとベルゼビュートは立ち上がった。


「ハァ…ハァ…クソっクソっ!なんでだ!何故だ何故だ何故だ!許さない許さない!俺が…俺が負けるなどあり得ない!」

「しつこい奴だ…いい加減現実を受け止めたらどうだ?」

「クキキ…だったら最後の手段だ!」


そういってベルゼビュートは来ていた服を脱ぎ捨てた。ベルゼビュートの全身には縫われた箇所が無数にありそれぞれが蠢いている。


「クキキ…何もかも終わらせる!禁忌呪解!」


その言葉を始めに縫われた箇所が一斉に開き、そこから目や口が現れた。目はギョロギョロと辺りを見回し、口は鋭い牙をガチガチと噛み合わせている。それだけで止まらず全身から血が流れ始めた。


「グ…すべテ…オ…らセる」

「禁忌呪解!?死ぬ気か!」


禁忌呪解…

sevenbigcrimesにのみ与えられた罰を解放することができる。最強に近い力を得ることができるがその

代償として同時に多大な負担をかけるためサタナス程のものぐらいしか使えない。※今回のベルゼビュートは例外。説明は後にて。


「インフィニットアイズ…ミリオンマウス…このチからデオマえをコロす…!」

「クッ…どうする…!」


ベルゼビュートはその場で何かを唱え始めた。それがマズイものだといち早く察知したサタナスは詠唱の妨害に入った。


「そうはさせん!」


しかし


「アマイな…」


全身に存在する無数の口、そこから触手が現れサタナスをはじき飛ばした。サタナスは吹っ飛ばされ背中で地面を滑った。そのあと素早く体位を変えてもう一度地面を蹴ってベルゼビュートに銃を向けて引き金を引いて触手を撃って邪魔者を消した後照準をベルゼビュートに向ける。そして、全弾発射。銃弾は一斉にベルゼビュートに一直線に飛んで行った。銃弾は高速で旋回しながらベルゼビュートにヒット、するはずが無数の目が一つ一つの銃弾を凝視、再び口の中からミサイルが飛んできて弾を相殺した。小さなものであったが銃弾を打ち落とすには十分な大きさであった。銃弾をうちおとす、それだけでは飽き足らず全身の目が全てサタナスをとらえ口から奇妙なミサイルが飛んできた。形はミサイルそのもの、だがミサイルには口がついており紫の息を吐きながら飛んできた。


「なんだアレは…毒ガスか?」


ミサイルを綺麗にかわすもののどうやらホーミング性能のあるものでサタナスを追いかけてきた。追尾性能の低い物なら簡単だったが能力が高くサタナスをどこまでも追いかけてくる。空へ飛び立ってその途中に三分の一撃墜。空中で二丁拳銃を使ってその半分を撃墜。空を旋回しながらフォースで剣を作り出し向かってくる鉄の塊にカウンターの形で剣を一振り。これにより全弾撃墜。


「全て落とした…だが、手遅れか…!」

「ワガみちにシッパいはそんザいシない!」


どうやらベルゼビュートの思惑通りになったらしく、ミサイルのおかげで呪文の詠唱が終了したらしくゆらりと動きだしベルゼビュートを挟むように二つの大きな口が宙に現れた。ゆっくりと口を開くと口内にはバラバラになった兵士や南の国の国民であろう者たちの死体があった。


「!?な、どういうことだ!」

「どうせ道連れだ…教えてやる。全てをな」


ベルゼビュートは一旦戦闘態勢を解いてサタナスもベルゼビュートの言葉に耳を傾けた。


「禁忌呪解…本来の俺なら体は壊れて既に死んでいるだろう…だがしかし!俺は長い年月をかけてこの研究を大成させた!それが‘暴食王のdinner’!俺が強くなる為に何年も費やし成功させたこの能力!コイツは食えば食うほど俺を強くする、そして俺はそのエネルギーを得て強化される。勿論デメリットなんて存在しない!まあ、たかが兵士数万人と国民数十万人じゃあまだ足りないが…それでもお前を倒すのには十分だ!禁忌呪解したんだ、生きてるかどうかわからない…だからお前を冥界に連れて行ってやる!」

「クッ…!どうする?逃げられるとは思えないが…」


ベルゼビュートは呪文を短く唱え、終わったのと同時に無数の口から触手伸びてきた。それを見て銃を構え迎撃する。しかし、数で触手が圧倒し動きを止められてしまう。


「どうした?動きが悪いんじゃないかぁ?」

「グ…!」


再び呪文の詠唱。すると今度は触手に火がつき触手を伝ってサタナスに接近する。急いで触手を引きちぎろうとするものの思ったより力が強く中々逃れられない。そして、火がサタナスに点き全身が炎に包まれた。


「がぁぁっ!!」


苦しそうに声を上げて火を振り払う。しかし、間もなく次の攻撃が迫る。


「お前は生きては返さん!必ず地獄へ連れて行ってやる!」


今度はインフィニットアイズから無数のレーザーが発射。サタナスを追いかけ、命中。普通のレーザーならまだしもベルゼビュートの力が加わっており命中後に爆発が起きた。サタナスは声もあげず大きくズドン!と音を立てて落下した。砂煙が晴れ、サタナスは地面に倒れていた。ベルゼビュートは静かに笑い始め、やがて大きく嘲笑った。まさに悪魔、死神の声であった。


その声は何もない王国跡の悲劇を表すかのような声だった…。



どうも、前書きでも言いましたが投稿が久々ですな。あんまりこういうことしたかないんですけど…極力暇なときは小説に尽くしたいと思います。それと活動報告でも言いましたが次話を短くとか新しい話とか…なんならどっちもやろうと思います。あ、ちなみに新話の方はバトルとかないですから。結構面白いと思います。もちろん個人意見ですが。それでは、またお会いしましょう。

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