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我龍転生  作者: キーダの滝
Seven big crimes編
21/82

第20話「意外な訪問者」

どうもキーダの滝です。今回はなんか変です。








固有空間にて。

士助と庵次は空間が消えるのを待っていた。


「とにかくSBCはあと2体だ。気を抜くな」

「わかってるよ」


術者の魔力供給が絶えたので上から崩れ去る様に固有空間は消え去った。外へ出て改めて話を再開する。


「余裕なのは良いが油断だけはするなよ。それとこっちに殿着(とのつき)が来てるはずだ」

「はぁ!?殿着兄ちゃんが?」

「どうした、何かあるのか?」

「いやぁ…まぁ…」


士助は顔を青くしてハハ…と笑った。庵次はそのまま闇に消えて行き元の世界へと帰った。立ち尽くした後とぼとぼと家へと戻った。









その少し前。

異世界『玄龍族の里』にて。里の中で最も立派な建物の中にいる里長はある人物に頼み事をしていた。


一段高い畳に杖をついて座る里長。その隣には若い補佐役が2人いる。


「殿着よ、それでは頼んだぞ…」

「あの…里長…」

「どうした?」

「殿着様は既にいません…」

「……………」









その少し後。地球にて。

見しらぬ男が千里邸に侵入していた。金髪に黄色い目をした男だ。どことなく誰かさんに似ている気はする。




「ねぇねぇそこのキミ!カワイイね!俺と今からお茶でも…」

「…………」

「何だコイツ…加奈お嬢様に近づくな」


加奈をナンパする男、それを振り払うヒロト。しかし男は止まる事を知らずヒロトを無視してナンパを続ける。加奈は動じず小説を読んでいる。


「何だぁ、少年。俺は今、美少女とお茶がしたい気分なんだ。邪魔するんじゃ無いぞ。」

「本当に何だコイツ。さっさと消えろ!」

「…………」


男はナンパをやめない。可能性が無いことに気づいてないのかそれともただのアホなのか。そこへ、士助が帰宅した。


「あぁ、疲れた…」

「士助か!助けてくれ。今、変態が来て…」

「誰が変態だ!俺はただカワイイ女の子と遊びたいだけで…」

「あ…」

「ん?」


その時士助と男の目が合う。一瞬硬直する。


「お、士助じゃん!いやあ、探したよ!」

「いや、どちら様ですか?」


士助は目を逸らして声もできるだけ変えた、つもりだ。俯いて顔も見せない。


「何言ってんの?殺すよ?」

「虹色士助です」


士助はため息をつき、諦めて自分から明かした。


「何でいるの…殿着兄ちゃん」

「届け物だってさ」

「届け物?」


殿着はどこからともなくお届け物を出した。長い布の中に包まれている。士助は布越しに得物の力を感じ取った。


「ほい、コレ」

「これって…」


布を解いて姿を現したのは刀。手渡されその重みを確認する。ずしりとした重量感。鞘には龍の姿が描かれている。


「コレ…」

「お!解る?そうそうコレはアレだよ、アレ」

「覚えてねーのか…コレは玄龍の秘宝だろ?」

「あ、そうソレ」

「…………」


「なんでコレを俺に?」

「なんか爺さんは頑張ってるからとか言ってた」

「あぁ…そうすか…」


ここまでで見てわかる通り、虹色殿着という男は止まる事を知らぬ適当男なのだ。そのせいで士助にも面倒くさがられ、挙句本人も自覚している。


「まあ、わかったよ。頑張る」

「そんな感じで頼むわ」

「ハイハイ」

「それはそうとさ、久々に遊ばない?」

「嫌です」

「じゃあいいや」


遊ぶ…そのワードに反応を示すヒロト。まあ、こいつら人間じゃないから『遊ぶ』という概念もおかしいんだろうな。


「それじゃあ帰るわ」

「うん、バイバイ」

「バイバーイ」


目の前に現れた黒い扉を黒い鍵で開け、空間の中に殿着は消えていった。


「にしても訳のわからない奴だ…」

「最初から訳わかんないわよ」

「どっちがですか?」

「両方」

「なるほど」


士助は貰った剣を振り回しながらどんな得物かを確かめる。素振りをする士助もどこか嬉しそうだ。


「よし、頑張るぞ!」








<魔界>


「ハァ…ハァ…これで、どうだ!」


正方形をしたダイヤモンドの壁の目の前にある悪魔が立っている。バチバチと音を立てて両手にエネルギーを集中させる。みるみる内に紫の、剣の形をしたエネルギー体が姿を現していく。そして構えをとり双剣を振り払う!


「『デビルブレイド』!」


目の前にあったダイヤモンドの壁は音を立て粉々に砕けた。悪魔は息を荒くして小さく笑った。


「ククク…これでどうだ…」

「えらく張り切っているな、ルシフェル」

「サタナスか…」


気配も立てずにルシフェルを背後から見ていた。気のせいか、サタナスの目はどことなく冷たい気がした。


「次はお前が行くんだな。虹色士助が怖いか?」

「ククク…俺もオマエと同じ獣なのさ…」

「…質問の答えになっていない。…まあいい」


サタナスを横目にルシフェルは部屋を出て行った。1人残ったサタナスは呟く。


「オマエもどうせ死ぬさ…」


しばらくその場にじっと立ち尽くし、その後去った。








表現がビミョーな感じです。下手ですわこれは。

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