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015 ポーション作成応用

 さて、師匠がいなくなってからポーションを作り続けてきたが、やはり気になるのが根にもあるという回復成分。

 葉から抽出できる回復成分だけでもポーションになるから、問題がないと言えば問題ないのだが、前の世界ではDIYやらもったいないやらで、工夫して捨てるものを少なくする生活だったから気になる。

 なにしろ、一日分のポーションを作成するとなると、結構な数の使われなかった根が残るのだ。


「ふむふむ」


 根だけを個別に素材鑑定してみると回復成分は葉の半分くらいだが、それを補うかのように苦み成分やえぐみ成分、それに喉を刺激する成分が入っている。

 ははあ、これをそのままポーションに使用すれば、苦くてえぐぐて、しかも喉がいがいがする回復薬が出来るわけか。

 そりゃ、そんなもの誰も飲まないよね。前の世界でも苦くて飲みにくいという薬だったり健康食品は、飲みやすいように改良されまくってたし。


「抽出」


 試しにと、葉で作る時の倍量の根から抽出を行うと、思っていた以上に回復成分が採れない。

 どうやら一部の回復成分が苦みやえぐみに固着しているようで、そちらを弾くと回復成分も弾かれるらしい。

 追加で同じだけの量の根を持ち、抽出を続けると何とか葉と同じだけの回復成分が採れた。


「合成」


 そのまま水と合成し、他のポーションと同様に瓶に注いでいく。

 うん、根でも葉と同じようにポーションが作れるな。……まあ、量は必要だし、気を使うから疲れるけど。


「素材鑑定」


『名称:中級ポーション 種別:ポーション 用途:ポーション用素材』

『純粋な回復成分と水から作られたポーション。骨折や脱臼、中程度の病などを癒す。さらに上級のポーションを作成する際の素材となる』


 素材鑑定で出てきた鑑定結果はコレ。

 ちなみに、ポーションはさらに上級のポーションを作る際の素材となるらしくて、素材鑑定の対象範囲内のようだ。

 で、この結果なんだけど、実は葉から作ったポーションとは結果が違う。


『名称:初級ポーション 種別:ポーション 用途:ポーション用素材』

『回復草の成分と水から作られたポーション。打ち身切り傷、軽い病などを癒す効果がある。さらに上級のポーションを作成する際の素材となる』


 葉から作ったポーションの鑑定結果はコレ。

 そう、葉からは初級ポーションが作成できたのに対して、根からは中級ポーションが作成されている。

 うーん、葉よりも多い量をポーションに使ったから? それとも、苦みやえぐみを入れないように気を使ったからか? ま、師匠に相談だな。


「さてさて、やることがなくなってしまったぞ」


 朝食を食べてから、すぐにポーション作成に入ったとはいえ、昼前に魔力が尽きてしまった。

 魔力が尽きてしまったということで、本日の錬金術師としての仕事は終了……本当にこの世界は前の世界とは労働の価値が違い過ぎてビックリする。


「とはいえ、やることがなくなると、暇つぶしが大変なんだけどな」


 ついつい独り言が増える。錬金室は音の出る作業や臭いが出る作業があるから、他の部屋に音が漏れない仕様で、換気も万全だから、ついつい独り言を漏らしがちなんだよなぁ。

 目の前には回復成分が取り出された回復草の山……鉄鉱石の時は素材分解した後は石になっていたから捨てるのに抵抗がなかったが、回復草は瑞々しい葉っぱだから捨てるのに抵抗があるなぁ。

 これ、何かに使えないか?


「触感は普通の葉っぱ……匂いは、すっきりした感じか」


 前の世界で表現するならスペアミント系の匂い。スッキリはするけど、ちょい甘さがある感じで、ただただ刺激があるだけではない。

 うーん、これならミントティーみたいにして飲めないか? 素材鑑定では毒はないって表示されていたし、使い道があるのに捨てるってのはもったいないしな。


「確かハーブティーは生葉でも大丈夫なはずだし、これに熱湯を注げば大丈夫だよな」


 前の世界ではハーブティーを常飲していたわけじゃないけど、大学時代なんかは友達がハーブティーにハマっていたから淹れ方はなんとなくわかる。

 基本は乾燥させたハーブで淹れるのだが、ミントなんかの栽培が簡単なものは自分で育てていたから、生葉の状態から淹れるやりかたも覚えている。

 とはいって、生葉状態から淹れるミントティーは葉をちぎって、適当にポットに入れたらお湯を注ぐだけという簡単なものだ。


「うん、香りは問題なさそう」


 もちろん、苦み成分やえぐみ成分が入っている根は除けて、葉の中でもなるべく綺麗で瑞々しいものを選んでポットに入れてある。

 いつもは紅茶を淹れるのに使っているポットなので紅茶の香りが若干するが、それでもミントティーのピリッとした辛さが精神的に疲れた体に染みわたる。

 うん、これは良い使い道を見つけたかもしれない。

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