Lonely Birthday
「明日は来ないんだって……」虚ろな目をした彼女が言ってる
「今日で終わるんだって……」痩せ細った体の彼女が言ってる
「世界は破滅するんです……」テレビのニュースキャスター、泣いてる
「あの子は生きれないんだって……」病気の人を演じるドラマ、なんて軽い命なんだ
『美しく笑うと泣くのが怖くなる』
それなのに僕達は嘘の笑顔を作って
泣くのを怖がっている
だから汚れた事など分かっていたんだ
綺麗な部分など何処にも無いんだって
一人、部屋の隅で膝を抱えるくらいの世界
光が見える闇の中で
「彼女は死んだんだって……」嘘泣きで並ぶ参列、醜い
「アンタも死ぬんだって……」実感が湧かない終焉、夢の中
『苦しそうに生きれば誰か構ってくれる』
互いの傷を擦り合う事で
平常心を装う
だから構えたナイフを翳せない様に
ビルの屋上に靴が並ばない様に
狂った精神なのに生きれる世界が嫌い
光が眩しい闇の中で
「明日は来ないんだって……」街を見渡す彼女は呟いた
「世界は終わるんだって……」夢を見る僕達は言い続ける
だから孤独じゃないと何かが嫌なのに
不思議と生命は保たれていくように
眩しくて見れない光の形を
その手で……。
いつか終わる世界が綺麗である様に
全てを亡くす美学を語る様に
一人、滴る赤を泳いで暮らす日々
光の中を……。
眩しい光の中を……。