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綺麗な花の様に

暖かい春の日に彼女が呟いた事、「貴方の部屋は地味だね」と

だから綺麗な花を窓辺に飾った

「綺麗だね」って笑う彼女の笑顔が美しい


「私がまた来るまでちゃんと育ててね」と言って

彼女は電車に乗って東京を目指した

「またね」って照れて笑う彼女の笑顔を心に残して


手紙から想像する彼女はいつも一人ぼっちで

それでも僕の頭の中の映像では笑っていた


綺麗に咲いた花の様に

心に飾った彼女の笑顔

もう地味とは言わせない

こんなにも綺麗な花が咲いてるのだから


雨が降った日曜日、曇り空月曜日、良く晴れた木曜日

彼女の事をずっと考えて暮らす毎日

もう癖になってしまった。花に水をあげる習慣。やめたくない。


朝方ニュースで見た女子大学殺人事件

テレビに映る写真は花の様に綺麗な笑顔だった


涙が降った翌日、膝を抱えて一週間、世界を恨んで何週間?

彼女の事をずっと考えた暗い毎日

もう忘れてしまった。窓辺に置かれた綺麗な花。枯れちゃった。


萎れてしまった花の様に

心が死んだ僕の世界

もう光なんて射さない、と

膝を抱えなくちゃ生きられない世界に来た


綺麗に咲いた花の様に

心に飾った彼女の笑顔

もう死んでしまったけど

いつかは水をあげられるように……。


命の水を。

笑顔の水を。

彼女の水を。





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