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ターミナルステーション
「此処からあなたの物語が始まる」と
退屈そうに言う老人
「私の世界はこんなはずじゃない……」と
手首を切った女の子
それぞれの思い入れで成り立っている
だから世界は黒くて白く見えるのだろう
鉄棒の下、諦めかけた事、砂を蹴って、頑張った事
一分の一の思い出に今は無き魔法がある
失望の夜、手にしたナイフ、絶望の朝、まだ在る脈拍
天国と地獄の中で生きる事を学んできた
始まりの鐘はいつだって自分が鳴らす
迷って疲れた旅路を歩く
存在の旗を掲げる生命
掛け算の罠、躓いた穴、希望の唄、忘れた午後
聴こえる君の声がそのままの音として
限界点、ステップ&スキップ
あなたに逢いたい誰かがいる
緊張感、リラックス、マインド
世界が逢いたいあなたがいる
始まりの鐘はいつだって自分が鳴らす
笑って過ごした日々を読む
最後の幕は運命の中で
「此処からあなたの物語が始まる」と
退屈凌ぎに呟く老人
「私の世界はそれでもいいの」と
包帯を巻いた女の子
個々の存在が煌めく世界
幾つもの物語が並ぶ世界