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おじいちゃんが死んだ

 高校卒業してすぐに、おじいちゃんが死んだ。私が高校3年の秋に、おじいちゃんは徐々に体力がなくなっていった。ついに床に伏せた。

 優しいおじいちゃん。おばあちゃんに叱られた時に助けてくれた。いつもの寝顔のまま死んだ。目の前に差し出された救いの手が消えてしまった。唯一の味方が消えた。今度から自分で何とかしなければならない。おばあちゃんとオカンに立ち向かうのだ。神様が私に使命を与えたんだと思った。

 おじいちゃんが死んでから、心にぽっかり穴が空いた。何か満たされなかった。毎日仕事したり、アニメ見たりしても生きている心地がしない。おじいちゃんがいないだけで、こんなに生活しにくいんだなって。人の死と向き合うことが大事。でも今の私にそんなことはできない。おじいちゃんに会いたかった。

 それから約5年間、死ぬことを考えるようになった。自殺願望だった。仕事中、突然涙が出るようになって、トイレに駆け込んで泣いた。すぐに家に帰って布団をかぶって泣きたかった。

 眠れなくて病院から睡眠薬と抗不安剤を貰って飲んだ。1日1錠服用するように言われてたのに、2錠飲むようになった。すごく体がだるかった。だるいけれど、このまま死んでおじいちゃんに会えたら……なんて思っていた。たくさん飲んでも死ななかった。私は生きてる。

 希死念慮の私は、職場に行くのも予備校に行くのもキツかった。行きたくなかった。勉強したくなかった。どこか遠くに逃げてひっそりと死にたいと思っていた。死にたいと言う奴に限って、なかなか死なない。毎日失恋ソングを聞いてわんわん泣いた。

 そんな私を見て、オカンは何も言わなかった。私を慰めたり、励ましたりしなかった。おじいちゃんが死んで悲しんでいるのはオカンも一緒。でもオカンは前を見ていた。私は立ち直れなかった。前を見られなった。

 生きる術が分からない。何のために生きていけば分からない。

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