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将来を決められていた

 高校を卒業したら大学に行きたかった。私は頭が良くないので、Fランク大学しか受験することができない。それでもいい。大学に行って何かの免許や資格を取得したかった。

 なのに、オカンとおばあちゃんが勝手に私の将来を決めていた。「お前は公務員になれ」これが口癖だった。

 イチコの場合は国立大学を受験させてくれて、イチコは無事に大学を合格した。家族はイチコを大事にしている。私は公務員になりたくない。私も大学を受験したかった。オカンとおばあちゃんは「うちには金がないから大学に行くな。公務員になれ」って。ちなみにオトンとオカンは市役所勤めの公務員。

 高校卒業してすぐに非常勤職員として市役所で働いた。職場の人たちは、私がオトンとオカンの娘なのは知っていた。嫌だった。ここで働きたくなかった。オカンとおばあちゃんに「市役所で働きたくない」と言うと、怒る、喚く、殴る。自分の思い通りにいかないと子どものように駄々をこねる。止めるのは私とイチコ。近所迷惑になる。言いなりになるしかなかった。

 私が公務員試験に落ちると、オカンは公務員試験対策を開講している予備校に入れた。断った。働きながら予備校に通う自信がなかった。いくら遣ったか覚えてない。結局周りの大人たちが私を説得し、4年間予備校に通った。真面目に受講したが、公務員試験は落ちた。落ちまくった。

 公務員試験に落ちたから、オカンは怒っていた。口を聞いてくれなかった。おばあちゃんはどこか諦めた顔で「好きな仕事に就いていいよ」と言った。

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