二重人格 前編
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「おい」
「なんだよ」
「そこに置いてあるコップをこぼせ」
「いやだよ。じゃあ、お前拭いてくれるのかよ」
「拭かねえよ。」
「じゃあ、まて、おまえ、やめろ!」
おれの体が、右手が、コップに近づいていく。
トラウマが毎日呼び起こされる、うつ病。
何かをしようとした時に、おれを止める存在。
欲しい本を手に取ろうとした時。
見えない力が働いて。
手が。
動かなかったり。
おれは、最近、その正体がわかった。
それは、おれ。
もう1人の、おれ。
トラウマを隠すために作られた、もう1人の、おれ。
おれは、うつ病、パニック障害を発症する前に、もう1つの病気を、持っていたみたいだ。
解離性同一性障害。
またの名を。
二重人格。
「やめろよ、こぼす、こぼす・おい!」
おれは、右手で、コップに入った水を、こぼした。
その時。
ドアが、光った。
「おれは、あそこに、入るんだ」
おれは、左手を伸ばした。
「やめろ、お前は、あの窓から落ちて」
おれの左手は、窓の方に伸びた。
「やめろ、やめろおおおお!」
おれは、光るドアへと逃げ込んだ。
タケが、手を引いてくれた。
「アランさん、大丈夫でしたか?」
「ああ。」
もう一つの人格は、この世界に来ると、出てこなくなる。
目の前に、綺麗な星屑が広がった。
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