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ヴァンパイアの悩み

読んでください!お願いします!

 窓の奥。

 今日は、大雨に雷。

 でも、おれはいつも通り、眠れなかった。


 うっっ。

 幻覚。

 幻聴。

 抗不安薬。

 睡眠薬。

 

 吸血鬼が。

 吸血鬼が、おれの血を


「アラン?」

 

 近くで見たらわかった。

「ヴァンロー?なんで」


 その瞬間。

 ヴァンローから、ぶわっと、涙があふれた。

 止まらなかった。


「ごめんな。本当にごめんな。友達に、こんなことをするなんて、おれは、最低だ」


 吸血鬼。


 生きるためには、人間の血が必要。


 だから。


 そして、偶然にも。


 今日は。


 おれの家だった。


「大丈夫だよ。ヴァンロー。ほら」


 ヴァンローは、おれの指さす方向を見た。


 ドアが、光っていた。


 おれは、ヴァンローに告げた。


「行こう」


 ヴァンローは、涙を拭いた。


「うん」


 おれたちは、扉を開いた。


 いつものゾンビがいる。


「ケン」


 ヴァンローは、笑顔で挨拶をした。

 

「ヴァンさんと、アランさん。お2人でご入場とは、珍しいですね」


「ケンさん、ですか」


「ああ、いかにも。わたくしは、ケンと、申します。ゾンビの、ケンです」


「僕は、人間のアランです」


「もちろん、存じておりますよ。改めまして、よろしくお願いします」


 そこに、光の星屑が広がった。


「なあ」


 ヴァンローは、背中のマントを広げ、言った。


「おれの背中に乗れよ」


 おれは、ヴァンローに負ぶってもらった。


 空を。


 夜空を。


 飛んでいる。


 ハンググライダーみたい。


 下で、幽霊たちがパレードをしている。


 1人、手を振ってくれている。


「メメだ」


「おーい」

 この声は。前を見た。


 ミカが、飛んでいる。


 メメも、ホウキを呼び出し、こっちに飛んできた。


「なあ、アラン」

 ヴァンローはおれに、打ち明けてくれた。


「おれ、闇の世界から人間の世界に行くとき、いつも、胸が苦しいんだよ。でも。止められないんだでも! ここに来たら。落ち着くんだ。」


「おれもだよ。ヴァンロー」


「おれは、吸血鬼の中で、唯一の、うつ病。人間界に行くときに、不思議がられるんだ」


「ヴァンロー。それは、君の、優しさだよ」


「優しいから、おれは、ダメなんだ」


 カミンが、上から降りてきた。


「それは違うよ」


 そして、首を横に振った


「誰かのことを想う。それは、素晴らしいことなんだよ。最近、私は、そう気づいたの」


 すると、ミカが、胸を押さえる。


「うっっ。私は。誰かを助けなきゃ」


 カミンは、すぐに右手を振りかざした。

「ミカ、ごめんね。ミカ」


「ううん、私こそ、ごめん。私。私のせいで、こんな、カミンが」


 カミンは、泣いた。


「大丈夫。大丈夫だよ。ほら」


 カミンは、夜空を指さした。


 そこには、一面の花火が上がっていた。


「きれい」


 ミカは、そうつぶやいた。

 

「うん、綺麗」

 

 カミンも。

 そして、みんな。

 見ていた。

 綺麗な、そして、儚くも散る、花火を。


 ベッドに着いた。

 そこにはもう。

 吸血鬼は。いや。

 ヴァンローは、いなくなっていた。

 なんだろうか。

 共感と。

 恐怖と。

 この。

 ジレンマは。


 でも。

 今日は。

 行けて。

 本当に。


 よかった。


 おれは、睡眠薬を飲んだ。


 外の雨はやんでいて、幻想的な星空が、広がっていた。

 今日は、よく、眠れそうな気がする。


 

よろしくお願いします!!!!

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