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僕が異世界に行けたのは「うつ病だから」だそうです  作者: 佐和多 奏
うつ病だった時に書いたやつ

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-他人に合わせて演じることができる素敵な自分へ- 超自我 後編

色々考えて、なんとか書き上げました!誰かの助けになれば幸いです。

「私たちは、実は、自我だけで生きているわけではないの。つまり、自分の意思だけで行動してると思っていたけれどそれは間違いなの」

 自分の意思以外の何か、自分以外の何かが、自分を動かしている。

「私たちには、生まれながらに持つ本能的な欲求がある。これは、イドと呼ばれる。そして、様々な環境や経験の中で成長し、理性や分別、さらには自分のやりたいことや好きなことを発見していく。これが、自我。本当の、自分だよ」

 レオンは顔をしかめる。

「でもね。自分が何かをしなければいけない。友達に合わせなければいけない。自分はこれが好きなのに。このグループはこれが好きだから。このノリだから。それに合わせる。『道徳』とか、『良心』とかが働いて。

 そしてこの行動は、無意識に行われる。

 それをするのが、

 偽りの自分。

『超自我』という存在。

 超自我は、自我を監督し、私たちは、超自我によって、自分を律する。

 無意識に。

 そして、超自我に背けば、何が起こるか」

 何が起こるか。

「その答えは、そう。『罪悪感』に、さいなまれる」

 おれは、ヴァンローがおれの血を吸いにきた時のことを思い出した。


『ごめんな。本当にごめんな。友達に、こんなことをするなんて、おれは、最低だ』

 

「罪悪感は、自分自身を無意識に律する存在、『超自我』が私たちに対して出す感情なの。

 本当は、自分を律する超自我と本能的な欲求のイドは、自我によって仲立ちされる。でも、真面目な人ほど、誰かのことを想う人ほど、『超自我』は、大きくなる」


 ミカは、はっとした。


 子供のゴブリンの風船が引っかかった時。

「私、助けなきゃ」

 そう思った自分を。

 反射的に、無意識に。

 義務感で、そう思った自分を。

 天使。

 誰かを助けなければならない。

 そのために、生まれてきた存在と言っても、過言ではないだろう。

 そして、真面目なミカ。

 その仕事に、徹すれば徹するほど。

 

 良心、道徳心を無意識に動かし、逆らえば「罪悪感」を発動させて攻撃をする。

「超自我」は、暴走する。


 そして。


 自我を、乗っ取る。



 自分が、なくなる。


 

 そういうことだったのか。



「本当に、やりたいことってなんなのだろうなって。自我を。自分を。少しずつでもいいから、取り戻すの。

 何かを、しなければいけない。してはいけない。それだけではないの。

 何かを、してもいい。しなくてもいい。

 私たちは真面目だし、真面目に生きることは、とても素敵。

 それを分かった上で。

 少しずつでも。

 自分の好きなことを、すればいい。

 そうすれば」


 レオンは、微笑んだ。


「生きたく、なるじゃん。」


 ミカは、泣き出した。

 あれ、涙が。

 止まらない。

 ヴァンローも。

 カミンも。

 泣いている。


 リオンも。

 泣き始め、震え声になった。


「私たちは、もっと。自分のことを、許してあげても。自分に、優しくしてあげても。いいのかもしれない。そうやって、私は、たくさんの本を読みながら、思ったんだよ」


 レオンが笑うと、空に、大きな花火が打ち上がり、儚く散った。


 元の世界に戻ってきた。


 おれは、薬を飲んだ後。


 ちょっとだけ、夜ふかしをして、ゲームをしてから寝た。

お読みいただき、ありがとうございます。

結構自分自身他人に合わせやすい性格で、それをしすぎて、自分の意思が薄くなってしまうっていう経験があって、色々調べたんです。

その結果、それでも自分の好きなこととか、たくさんあって、それらは、大切にしてこれから生きて行きたいなって思って、異世界にその考えを連れて行きました。

これからも、書いていきますので、よろしくお願いいたします。



以下の文献を参考にしました。

中公新書『精神分析の名著 フロイトから土井健郎まで』立木康介、2012年

朝倉書店『朝倉心理学講座9 臨床心理学』桑原知子、2007年

有斐閣アルマ『臨床心理学入門ー多様なアプローチを越境する』岩壁茂、福島哲夫、伊藤絵美、2013年

浜島書店『最新図説 倫理』2017年

大和書房『マンガ 5月から読む精神分析学入門』石田おさむ、福原章、細山敏之、2007年

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