パニック障害 後編
心を込めて書きました!
小さいゴブリンの子供が、泣いている。
「風船が、引っかかっちゃった。」
カミンとレオンは、射的に集中している。
おれは、飛べない。
ヴァンローは、今ここにいない。
「私、助けなきゃ。」
その瞬間、ミカは、苦しい顔をした。
「うっ、うっ」
おれは、ミカに、精神安定剤を渡した。
「ありがとう」
「なあ、ミカ」
「なに?アラン」
「冷静に考えればさ、おれが今から、魔法の絨毯を呼べば、あの風船は取れる。でもさ。考えられないよな。自分のことを守れないというかさ。辛いっていうか。なんでなんだろうな」
「そっか。確かに。なんか、全然最近、何にも考えられなくなっちゃって」
「おれも。本当に冷静な時じゃないと、何にも、考えられない」
おれは、魔法のじゅうたんを呼び、ゴブリンの風船を取ってあげた。
ゴブリンは泣き止んだ。
「ありが」
おれは、人差し指を口に当て、しー、と言った。
もし、ありがとうという言葉を聞いたら。
また、ミカは、パニック発作を起こすだろう。
後ろから、肩を叩かれた。
「ねえ、アラン」
カミンが、射的で当てたであろうクマのぬいぐるみを2つ持っている。
後ろで、レオンが悔しそうな顔をしている。
「そして、ミカ」
カミンは、おれたちに、クマのぬいぐるみを渡した。
「これは、2人を守ってくれる、ぬいぐるみだよ」
おれとミカは、ぬいぐるみを抱きかかえた。
なんだろう。
すごく。
落ち着く。
ミカは、ギューッと、抱きかかえる。
『やばい! リスカしたい!』
もしかしたら、こんな時にも。このぬいぐるみが、守ってくれるかもしれない。
「ねえ、カミン」
ミカが、カミンを見つめた。
そして、震える声で、言った。
「ありがとう」
その瞬間、ミカは、苦しそうな顔をする。
ぬいぐるみを抱える。
すると。
ミカに、笑顔が戻った。
念のため、カミンはミカに回復の魔法をかけておいた。
ミカは、「ありがとう」と、言いたかった。
でも、パニック症状が怖かったから、言えなかった。
クマのぬいぐるみがあるから、守られてるって思うから、言えたのかもしれない。
でも、おれは一応、ミカには聞こえない小さい声で、カミンに、ありがとう、と、伝えた。
空は、大きな花火で埋め尽くされた。
風でカーテンが靡く。
夜空に、星がたくさん見える。
ベットに寝転んでいるおれは。
クマのぬいぐるみを、抱きかかえていた。
お読みいただき本当にありがとうございます!
私は、大好きなジラーチのぬいぐるみを持ち歩いています。
それは私を守ってくれる存在であり、大切にしています。
アランにも、ミカにも、クマのぬいぐるみを大切にしてほしいなって思います。




