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不思議な夜

作者: 田中浩一


14の冬に

長年連れ添った猫がいなくなった

お母さんが言うには

「死期が近づくと

猫はお世話になった家では

死なずに墓場を探すんだよ」

そう言って悲しむ私の頭を撫でる

古い写真

赤ちゃんだった私の傍らに

まだ子猫のキミがいる

拾われて生き返ったキミは

恩返しのように

赤ちゃんだった私の

面倒を見てくれた

泣いているといつの間にか

そばに来て身を寄せてくれた

雨に濡れて帰ってくると

足元から舐めてくれた

寒い冬に布団に潜り込んできては

鼻を鳴らして眠らせてくれない夜

家を出ようとしたら

凄く絡んできた日

登校中の列に車が突っ込んだ

もしキミが止めてなかったら・・・

明日

結婚する

その前日の夜

布団の中に鼻を鳴らすキミの気配

めくると消えてしまいそうだから

そっと声をかける

微かににゃーの返事

おめでとうを

言いに来てくれたんだね

ありがとう

きっと夢じゃない

あの夜にキミはいたんだ


*フィクションです。



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