怖い、やめておけ!
制止する本能を強引に振り払い
「好きです」
彼女が一人で作業する時間を見計らい、崖から自分を蹴落とす気持ちで
彼女に歩み寄り、ついに想いを告げた。
緊張で喉は枯れ心臓が喉まで来ていて吐きそうだ。
いつも話している人なのに、生きるか死ぬか未知の世界に飛び込んだようだ。
彼女は段ボールを折る手を止めた。
そして作業で机に落としていた視線を上げ俺を見た。
彼女の反応を見たくて表情を必死に読み取ろうとしたが、そんな間もなく
「結婚してる私はどうしたらいいの~?(*^_^*)」
無邪気な顔で正論を問い掛けてきた。
旦那の話しは聞かされていた上での覚悟だから、答えは用意していた。
が、俺は言葉に詰まった。 ここは押す一手なのに
(何か違う・・・なんだろう)と心が違和感を訴えて来たからだ。
フリーズした。 何時間も考えて来た言葉は真っ白に消えた。 しかしこのまま
沈黙を支配させてはいけないのだ。 何か言わなきゃ。
「・・・好きです。。。」
またも同じ台詞、思考テイシ。 棒読みで弱々しく目も俯いている。
でも心のどこかで、こんな自分を可愛く思って欲しいと救われたがる。
警戒してた飼い猫が仰向けになり飼い主に腹を触らせるぐらい心を開いたんだと
思われたい。 しかし、猫と俺は違うのだ。 大の男にゴロニャーゴされても
キモいのだ。
「ありがとう~!(*^_^*)」
相変わらず笑顔な彼女。 というより、何でそんなに笑顔なの?
彼女の心が全く読めない。
普通ちょっとは、っえ? みたいな顔するよね? 既婚なんだし。
そう、さっきの違和感はこれだ。
比べて俺は一人お通夜モード。緊張で足が震えて膝から地面に墜ちそうだ。
続く
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まだ途中ですが感想貰えたら嬉しいです。




