少女と太陽
二回目です。 みんな読んでねー
体が、、、太陽になっている。
一体何が起きたんだ。 私は今さっきまで、滅亡を覚悟しているただの男子高校生だったはずだ。
それが今、自分の故郷より大きい存在 太陽 になっているではないか。
辺りの様子をうかがおうと歩こうとするが、やっぱり移動することはできない。
当然だ。私は太陽。ひとたび動けば太陽系の崩壊が待っている。
幸いなことに視点を動かすことはできるので辺りを見回すことにしてみた。
水星 金星 火星 木星 土星 天王星 海王星 そして地球。
小学校の頃に習った太陽系がそのまま再現されている。
超巨大隕石によって崩壊したはずの地球さえもそっくりそのまま佇んでいる。
ーーんん?? 目の前に小さな物体が浮遊している。
頭、腕、からだ、足。よく見ると人間だ。
「ねえ」
頭の中に聞きなれない声が鳴り響く。目の前の人間が話しかけているのだろうか。
しかし残念ながら私は太陽。言葉を話すことなどできないのだ。
「ねえ!聞こえてるんでしょ。無視しないで!」
「ってそうか。その姿だと『能力』を使えないのね」
『能力』だと。 私は太陽。燃え上がり星を照らす以外に能力をもっているのだろうか。
「えっとね。その姿だと『能力』は使えないの。目を閉じて、私の言葉に続いて念じて!」
よくわからないが言われたとおりにやってみよう。
「テイター・スぺイク」
ーーーテイター・スペイクーーー
意識がなくなる。
気が付くと目の前には思わず畏怖するほど巨大な太陽が佇んでいた。
「ねえ!ちょっと!」
おっと、あまりの驚きにあの物体のことを忘れていた。
横には一人の少女がいた。淡い水色の長髪に、はつらつとした若さに輝く姿は、息をのむほど美しい。
太陽目線だと小さすぎて把握できなかったが、私に話しかけてきた存在は人間だったらしい。
(どうも、こんにちは)
話そうとするが声が出ない。
「『能力』を使うのよ。ほら、わたしに向かって言いたいことを念じるようにするの!」
(どうも、こんにちは)
「どうも、こんにちは」
「よかったよかった!ちゃんと『能力』を使えるようね」
どうやら言葉を伝えることができたようだ。
「よし、コミュニケーションをとれるようになったことだし、わたしが今の状況を説明してあげる!どうせ何が起こったかわからなくておろおろしてたんでしょ」
ありがたい。地球が崩壊した後、想像を絶するような事態の連続で、戸惑っていたところだ。
「よろしくお願いします。」
「よし、じゃあまずは今、わたしたちが置かれている状況について説明してあげる。」
「まずはね…」
彼女の口からはとんでもない言葉が飛び出すのだった。