7話 アンリミテッドブラックワークス…
女王はライン越しに、カイセに魔術で起動するメッセージを寄越した。
その内容は
(やーやーやー、カイセさんお久しぶりです。
どうせ仕事もせずに戻ってきて私に会うのが怖くて帰ってこれなかったって分かってますよー、何年の付き合いだと思ってるんですか?
そろそろ本腰を入れてくれないとカイセさんに新開発した魔術(定期的にお腹が痛くなーる)を試さなくてはなりませんのであしからず。
さて、ラインにそちらの世界の情報を報告させましたが怪しいのは、怠惰なカイセさんなら調査をサボらたいと思って出場することに決めただろう『笑いは世界を救うグランプリ』だと思います。
そんな大会の優勝に一生暮らせる賞金を出すなんておかしいですしね、ははは。
ちなみにですが、賞金が出ても没収しますからね、カイセさんなは一生私の元でこき使われてもらう予定なので。
というわけで特に面白くもない顔をしたカイセさんには無理だと思うので優勝しろとは言いませんが、その大会に潜入してみてください。一週間後にいい報告が聞けるのを楽しみにしています、プププ笑)
「あのアマ……!」
カイセは激怒した、かの邪智暴虐の女王は笑いをコケにした!
ふざけるな!顔が面白ければ優勝できるわけではないのだ!笑いをなめるな!
「お前はリリア様だけじゃなく、女王にも目をかけてもらっているんだな」
サボりを密告した裏切り者のラインがそう言うが、カイセは思いっきり嫌そうな顔でのたまう。
「ちょーっと偉くなったからって機関員をこき使いやがって!あいつに俺たちの渾身のネタを見せてやるぜ!」
カイセはパンツ一丁でラインに回廊を作れと迫る。
「芸風が酷いわ!!」
「今じゃ女王なんて呼ばれてるけどな?あいつは機関学院時代の後輩なんだよ」
ほかの参加者達からの見下されたような目を見て服を着たカイセは女王の話をする。
ちなみにリリアは下着姿のカイセから目を離さなかった。
「女王の学院生時代か、さぞ可憐だったのだろう」
「いや、どう見てもゴリラ。どっから見ても見てくれがいいゴリラ。あいつにかかれば俺たちなんて手のひらの中のりんごのようなものだ。」
「あまり聞かない罵倒だが、それは片手で潰されるといいたいのか?」
カイセは続ける。
「いっつも人を小馬鹿にしたような敬語で煽って来やがるし、正直なところよくわかんない奴だよ。
チラッと見かけたらなぜか背後を取られるし。」
昔はそれでよく驚かされたものだ。そのあと不用意に触ってくるのもやめて頂きたい、不気味!
「しかし、お前に接する女王と我らが知る女王は違いすぎてな、気になったんだよ。」
「んぁ?そうかね?」
「あぁそうだとも、少なくとも…」
その後何を言おうとしたのか、カイセには分からなかった。