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罪を償えという名の異世界転生  作者: ゆら
冒頭 
1/14

世界創生

 首の横にある差込口からケーブルが伸びた男が半笑いの表情をし、目を閉ざしたままでぶつぶつと何かつぶやいていた。ケーブルの先にはゴテゴテとした機械的な台座があり、その上には宙に浮かぶ半透明の球体が2個ある。


 科学の進歩により彼の住まう世界は、機械人と言う寿命を大きく伸ばした人類が生活しており、人類としての比率は機械人が大半である。彼もその機械人として生きている。彼は見た目てきにただの人と言う種とそこまで変わらないが、既に150年以上生きなお青年と呼ばれる若者の容姿を保っている。


 そんな彼の日課は惑星創生と呼ばれる擬似惑星を生誕から滅びまで、神の立場から様々な設定でプレイでき、どのタイミングでもその世界に降り立ち、その世界を楽しめるというそれをプレイすることだ。


 デフォルトでプレイした場合は自身の住む地球の歴史に則った成長を楽しめる。機能としては創世した惑星内の時間を自由に設定でき、その気になれば数億年の経過をわずか数秒で終わらせることが出来る。

 どの時代にも好きなタイミングで、好きな容姿、好きな能力を有して降り立てる。実在した人物に自身を上書きして入り込むことも可能であり、なりきりプレイも楽しめる。


 この惑星創世は機械人でないとまず楽しみ切れはしない。その為には機械人について少し学ばなければならない。


 まず機械人にも段階があり肉体の一部機械化、脳に及ぶまでの全身機械化まで、様々なバリエーションがある。

現代の科学力の関係上ただ単純に機械の体にするわけでなく、ナノマシンを体内に取り入れることとなり、それをもって機械人という。

 言い出せばきりがない程説明項目があるが、おおまかに説明するとナノマシン自体にもランクがあり、自立AIを持つナノマシンやただ脳の電気信号に反応するだけのもの、生命維持に大きく係るもの等様々である。どこまでどのレベルのナノマシンを取り入れるかで大きく機械人としても変わってくる。


 惑星創生自体、全く機械化していない人類でもある程度楽しめるのだが、ダイブ中の操作に大きく制限がかかる。

 特に問題となるのは外部の時間と、内部の時間に対する経過速度の差である。未加工の脳では処理能力が全く足りず、最低限の内部での操作能力に枠を使うと、中と外との体感時間スピードの差はおおよそ四倍までしか設定できない。

 無理をして内部時間スピードを上げると、脳の処理が限界を迎え、脳細胞が破壊され言語障害や脳性麻痺、最悪死に至る。その為、惑星創世におけるダイブ推奨ナノレベルは、補助脳があるか、もしくは脳とナノの融合化である。

 補助脳なしで世界創世に降り立ち、4倍の時間スピードでプレイし続けると、脳年齢の加速化がすすみ結果早く寿命を迎えてしまう。


 四肢や簡単な生命維持の為の機械化は一般的な生活水準であれば、機械化推進課にある制度を使えばまだ安く済み、生活水準をそう大きく落とすことはない。しかし、脳だけは高額な費用がかかるため、それなりの金銭的余裕がなければ難しい。

 世界創生も富裕層でなければ購入が難しい価格であるため、脳にメスを入れてない一般層ではまず購入されることもない。


 そして現在神モードで自身の作った世界を確認した彼は、デフォルトの地球の時間軸である西暦2020年、その世界のある男に注目していた。神として次のターゲットの男を、自身が大きく作り変えた別の球体に移し替える作業を始める。



 ここからある男性の異世界転生がスタートする。




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