〜ただ全力で〜
キキ「これでよし。一週間位すれば治るわよ。」
まどか「ありがとうキキ.....」
まどかの一言に、キキは思わず顔を赤らめた。そして逃げるように裏の部屋へと走っていった。
いずみ「それにしても.....キキまで襲われるなんて.....」
キキ「あいつら、何企んでるのかしら........」
その後は、まどかとキキと麗子で薬を買いに出掛けていき、ナツといずみは留守番をする事にした。
ナツ「お腹空いたね。」
いずみ「さっき食べたばかりでしょ.....」
しょーもない話をしていると、ドアを叩く音がした。いずみがその音に気づき、ドアを開ける。すると、いきなり爆発が起こった。
ナツ「いずみ!」
いずみ「ぐっ!.....危なかった........」
いずみは、腕を軽く焼いた程度ですんだ。ナツが紙飛行機を飛ばす。が、飛ばした紙飛行機も扉を通過しようとした途端爆発。散り散りになった。
いずみ「扉に細工してあるのかしら..........」
ナツ「分かんない........能力者かな?」
〜プロミネンス本部〜
森岡「あいつらなら......流石に殺れるだろう.......」
イアリ「....................森岡様は、なぜこのような事をしようと思ったのですか?」
龍座「イアリ、詮索はやめろ......」
緊張した空気が部屋を包む。龍座とイアリは森岡の過去に触れる事がどれだけのものか、今知ったのである。
森岡「.................俺の母親は、俺が5歳の時、貧困層の人間に殺された......」
イアリ「!!!」
森岡「それを知った父親、つまり先代は、貧困層を力で押さえつけ、グラリアを実効支配したんだ。」
龍座「アニキ.........まさか.......」
森岡「俺は...........貧困層を弾圧する!それが先代の悲願であり、俺がやらなければならない事なのだ!」
森岡の一言に、二人は何も言えなかった。森岡の言ってる事は、簡単に言えばただの復讐である。だとしたらこのまま復讐の手伝いをしていていいのだろうか、そんな迷いが、二人の中に生まれていた。
森岡「.............お前達、今日はもう休め。」
イアリ「..............御意」
龍座「.....................。」
二人はそれ以上は何も言わずに無言のまま立ち去っていった。森岡は胸を押さえ涙を流していた。果たしてこれは本心なのか。森岡にもまた、迷いが生まれていた。
〜スラム街〜
いずみ「一応外には出られたけど.......」
ナツ「迂闊に動けないね。」
二人は外に出たものの、まだ爆発を警戒しあまり動けなかった。そんな二人の前に現れた、二人の男女。
いずみ「えーと.......」
ナツ「誰?」
アグリア「俺はアグリア。」
イリア「私はイリア。」
二人「我々は、プロミネンスから駆り出された暗殺者。社長の命令により、貴様らの命、もらい受ける!」
いずみ「ナツ、来るよ!」
ナツ「うん!」
いずみとナツは二人の方向に走り出す。アグリアは石ころを拾い投げつけた。
ナツ「うわっ!」
ナツが石ころを躱す。すると直後に石ころが大爆発を起こした。ナツはびっくりする。
アグリア「俺の能力は触れたものを爆弾に変える能力!「デスインバイオメンタル」!」
いずみ「名前長っ.....」
いずみが呆れていると、突然地面が丸く抉れた。いずみは動けず立ち尽くしていた。イリアが何も無い空間から出てくる。
イリア「私の能力は亜空間を操る能力!「死の凱旋」!」
ナツ「なんか.........この二人ヤバイよ.......」
いずみ「うん..........」
ナツといずみは能力を持っていない。二人はそれを見抜き、逆に二人に近づいてきた。
アグリア「おらよっ!」
アグリアは再び石ころを投げつけた。二人はかわそうとするがその前に大爆発。二人は思い切り吹き飛ばされその場に倒れた。
アグリア「ふん、他愛も無いぜ。」
イリア「流石お兄ちゃん!」
アグリアは首をはねるため倒れてるナツに近付く。アグリアが手を伸ばした途端、ナツが手に噛み付いた。
アグリア「この握歯力......こいつホントに女か!は、はなせ!」
イリア「私はこいつを......」
イリアがいずみの胸ぐらをつかむ。ナイフを首につけた途端いずみがイリアの鼻に指を突っ込んだ。
イリア「フガッ!?」
いずみ「なめたらいかんぜよ........」
いずみは指を動かし中を引っ掻き回す。イリアの鼻から大量の血が吹き出す。イリアはいずみをはじき飛ばし、鼻を押さえた。
イリア「このクソガキ!ぶっ殺してやる!」
ナツ「ガリッ」
アグリア「いってえええぇぇ!!」
ナツは指を食いちぎり吐き出した。そんな二人の行動にアグリアとイリアの怒りはピークに達していた。
ナツ「あはは......」
いずみ「まずいね......」
周囲の物が大爆発&抉れていき周りは地獄絵図と化していった。二人の恐怖と緊張はピークに達し逃げることもできなかった。
ナツ「ば、万事休す!」
いずみ「っ!」
二人は終わりを覚悟し目をつぶる。すると、二人の体が激しく光出した。あまりのまぶしさにアグリアとイリアの目は眩んでしまった。
アグリア「ま、前が見えねぇ!」
イリア「め、目がああぁぁ!!」
やがて光は消え、二人は自らの体に起こった「変化」を実感した。
いずみ「ナツ。」
ナツ「いずみ。」
二人は手を握り、笑顔で叫んだ。
二人「反撃開始!全速前進だぁ!」
〜続く〜