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グラリア  作者: Kazu
4/6

〜真人(ネオ)〜

森岡「..........俺はもう四年前とは違う。俺は既に、貴様ら人間を凌駕する力を手に入れているのだ!」


ジョディ「...............お喋りデスネ。」


森岡「何だと..........?」


ジョディが森岡にあるものを投げ渡した。それは、森岡の服の第二ボタンだったのだ。


森岡「...................!!!」


ジョディ「先手必勝デース♪」


ボタンに気を取られていた森岡の軸足を狩り、転んだ所を顔面に向かって全力の膝蹴りを放った。森岡の巨体が、壁の方へ思い切り吹っ飛ぶ。


ジョディ「こんなモノじゃ、無いデスヨネ......?」


森岡「.............きさm」


森岡に言葉を発させる隙も与えさせず、ジョディは森岡の股間に全力の蹴りを見舞った。


森岡「〜っ!」


悶える森岡を気にもせず、肘と膝で森岡の頭を思い切り挟み撃ちにする。よろめいているところに腹へのアッパー。森岡は辺り一面に内容物を吐き散らした。


森岡「がはっ、げぼぉっ!」


ジョディ「フフッ...」


最後の一撃を仕掛けに掛かろうとしたが、何かを察知しジョディは後ろに飛び退いた。森岡がゆっくりと顔を上げる。


森岡「飛び退いたのはいい勘だ......もしそのまま突っ込んでたら.....貴様死んでいたぞ?」


ジョディ (ハッタリでは無いデスネ......さっきとは明らかに.....目付きが違いマース......)


森岡はゆっくりと前傾姿勢をとり、ジョディに狙いを定めた。ジョディは正拳突きの構えで迎え撃つ。


森岡「..................死ね。」


刹那、森岡は一瞬にして姿を消し、超音速でジョディに突進。その衝撃でジョディは窓の外へと吹き飛ばされ、まっ逆さまに転落していった。


イアリ「お疲れ様です森岡様。後で代わりのお召し物をご用意致します。」


森岡「あぁ、頼む.........」


龍座「これが..........真人(ネオ)の力......」


目を丸くしている龍座に森岡は苦笑していた。目付きは既に元に戻っている。


龍座「噂には聞いてたけど、見るのは初めてだぜ....人間が勝てるのか?」


森岡「真人を倒せるのは真人のみ......それが摂理だ。」


イアリ「森岡様に勝てる者は、この世界にはいない、ということですか?」


森岡「断言はしない........いるかどうかは分からんからな......」


3人は夕日の沈みゆく景色を見ながら、しばらく黄昏ていた......


〜スラム街〜


佳那「ここが奴らの家かしら........フフッ、ようやく見つけたわ。」


佳那はその家に向かって一歩づつ歩みを進めて行った。異変に気付いたのは、三歩目を踏み出した時だった。


佳那「...............あ、れ?」


突然動きが鈍くなる。力づくで動こうとするといきなり手や足に何かが食い込み切れた。佳那は警戒し、辺りを見廻すが誰もいない。すると........


???「さっきのお返しは.....たっぷりとさせてもらうわね。」


佳那「そ、その声はまさか..........」


いつの間にか後ろにいた1人の女...........それはあの時、確実に殺したはずの医者、キキだったのだ。


佳那「な、何で生きてんの........」


キキ「................操糸術.....私の能力よ。」


佳那「まさかアンタ.....自分の体に糸を巻き付けて、衝撃を軽減させたのか!」


キキ「よく出来ました。この能力は条件として、周りに糸を引っ掛けられる空間が無いとダメなの。だからさっきは高原道路で引っ掛けられる空間が無かったから、攻撃出来なかったのよ。」


キキは語りながら、佳那に巻き付けられた糸を締め付ける。苦しむ佳那を、キキは嘲笑っていた。


キキ「アンタの能力の条件も分かったわ.....相手が自分の視界に入ってなきゃ、能力使えないんでしょ?」


佳那「そ、それはどうかしら?」


キキ「だって、アンタ今糸で締め付けられてダメージ喰らってんのよ?何で返さないのかしら?」


佳那の表情に焦りが生まれる。能力の条件を確信したキキはさらに締め付ける。佳那の苦しみは、やがて悲鳴に変わっていった。


佳那「お、お願い助けて!な、何でも言う事聞くから!」


キキ「へぇ..............なら私の頼みを一つだけ聞いてもらうわ。」


佳那「な、何?」


キキ「........................地獄に堕ちろ!」


キキは締め付けていた糸を手前に思い切り引っ張った。佳那の体は一瞬にしてバラバラになり、大量の血が吹き出した。キキは糸を解き、まどか達のいる家にふらつきながら向かっていった。


〜続く〜

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