〜神医者キキ〜
???「全く...人騒がせな人達......」
バイクを全速力で走らせる赤髪の女の子。上にはガウンを身にまとい、ホットパンツを履いている。この女の子が、先程いずみが要請した医者、キキ・コリンズである。
キキ「.................あれは、人?」
道の真ん中に一人の少女が倒れていた。その女の子はは急いでバイクから降り、容態を確認する。
キキ「...........気絶してるだけかしら......外傷が酷いわね。」
キキがバイクに戻り治療用具を取ろうとした途端、バイクが突然大爆発を起こし、炎上した。
キキ「き、昨日買ったばっかりのバイクがぁ!」
???「フフフ...」
先程の少女が立ち上がった。不思議な事にあれほどあった体中の傷はいつの間にか消えていて、少女の顔にも生気が戻っていた。
キキ「あなたがやったのかな?」
???「私以外に誰がいるのよ」
キキ「そうだよね.........」
???「私の名前は雪代佳那。」
佳那は名乗ると、キキに近づいて来た。キキは少し後ずさる。佳那はそれを見ると、いきなり近くにあった木の棒で自分自身を殴り始めた。
キキ「あ、あんた何してんの......」
佳那は殴るのをやめない。ついに血が出始めた。流石のキキも、この状態には目をつぶってられなかった。
キキ「ちょ、やめなさいよ!血が出てるじゃない!」
佳那「...............そうね、このくらいで良いかな.....」
キキ「えっ.....」
その瞬間、見えない衝撃波がキキを吹き飛ばした。キキは数十メートル程吹き飛ばされ、路面に叩きつけられた。
キキ「ぐぁっ!.........」
佳那「どお?.............痛い?」
キキ「あ、あんたっ....ぐっ!」
腕が折れている。それはすぐに察知することが出来た。キキは折れた右腕を庇いながら立ち上がった。
佳那「あはっ♪良く耐えたね♪」
キキ「能力者ね.........」
佳那「そうよ....私の能力は受けたダメージを相手に返す能力.......「ギブアンドテイク」!」
キキ「..................なるほど....」
佳那「えいっ♪」
佳那の前蹴りがキキに食い込む。腹を押さえ悶えるキキの髪を掴み、投げ飛ばした。
佳那「アンタがあのスラム街の女たちと密会してるのは知ってるのよ?残念だけど、ここで死んで貰います。」
顔に膝蹴りを入れまくる。
キキ「あがっ!やめ.......て.........」
キキも必死の抵抗はしたものの、ついに動かなくなった。佳那もそれを見て、道端に動かなくなったキキを捨てる。
佳那「後はスラム街の女共だけ......お姉ちゃんの仇、取ってあげるね。」
佳那は別のバイクに乗り、走り去って行った。
―プロミネンス本部―
イアリ「森岡様。」
森岡「どうした。」
イアリ「雪代姉妹ですが、那由多の死亡が確認されました。恐らく、スラム街の女の仕業かと....」
森岡「............那由多は、この俺も一目置く実力者だ。それを退けるとはな.....」
龍座「アニキ、佳那がスラム街の女と密会していた医者を殺したらしい.....」
森岡「...............警戒を緩めるな、そう伝えろ。」
森岡の額から汗が滴り落ちる。イアリと龍座はそれを察し、何も言わずに従った。すると.........
構成員「申し上げます!社内に侵入者です!」
龍座「どこからだ!」
構成員「正面から、1人です!」
イアリ「すぐに社長室の周りを固めるように伝えなさい!」
森岡「いや..........その必要は無い。」
森岡は何かを察知。その途端扉が吹っ飛び、構成員もろともガラスを破り落下した。森岡は表情を変えずにその方向を睨む。
森岡「...............4年振りか」
???「....................。」
森岡「ジョディ・バーンサイド!」
〜続く〜