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グラリア  作者: Kazu
1/6

〜始まり〜

店主「そっちに逃げたぞ!」


店員「待ちやがれ食い逃げ女!」


???「はぁ、はぁ.....」


迷路のように入り組んだ路地を走り抜け、少女は「隠れ家」にたどり着いた。


???「た、ただいま!」


???「ナツ、大丈夫だった!?」


ナツ「見つかったけどここまでは来ないと思う....」


小柄で黄色い髪の女の子。彼女はグラリアで名の知れた食い逃げの常習犯だった。普段はスラム街の小さな家に仲間とともに暮らしている。


ナツ「はい、いずみの分のパンだよ」


いずみ「ありがと。」


こうして食い逃げでもしなければ、彼女達は生きても行けないのだ。この世界は、貧困層と富裕層の差が激しい。故に、争いも絶えないのだ。


???「ただいま。」


ナツ「あ、麗子さんおかえり!」


麗子「ナツ、また食い逃げしたのね。町中の人間が血相変えてあなたのこと探してたわよ。」


ナツ「えへへ....」


頭を掻きながらナツは俯いた。麗子とはもう食い逃げはしないと約束していたのだ。


麗子「....................まぁ、仕方ないわよね。」


ナツ「ゴメンなさい....」


頭を下げるナツを抱きしめ、麗子は台所に向かった。


麗子「まどかは、まだ帰って無いのね?」


いずみ「後ろ...」


麗子「えっ?」


振り向くと、そこには腰まで伸びるロングヘアが特徴の少女が立っていた。


まどか「おかえり麗子さん!」


麗子「し、心臓に悪いわね....」


まどか「みんな帰ってきたよね!」


ナツ「ばんごはんにしよー!」


まどか「じゃあ早速作ろっか!」


こうして、いつも通りの時間が過ぎていく。しかし、これは同時にすべての始まりを意味していた........


―プロミネンス本部―


イアリ「森岡様。またしても食い逃げが発生しました。」


森岡「............このままでは、貧困層と富裕層の均衡を崩しかねないな....」


龍座「アニキ、どうする?」


森岡は立ち上がり、外を見渡した。その目は、どこか悲しそうに見える。


森岡「那由多と佳那を送り込め。貧困層のはびこるスラム街に、徹底的に制裁を下すのだ。」


イアリ「御意。」


イアリは消え、すぐに行動に移った。外を見続ける森岡に、龍座が歩み寄る。


龍座「アニキ...アンタは本当はスラム街を.....」


森岡「龍座。」


龍座「........................っ、分かった....」


龍座は辛辣な面持ちで立ち去った。森岡はそれを悲しそうな表情でそれを見送った。そして、また外を見る....


森岡「先代の成しえなかった悲願...俺が成就させる!」


―戦いの火蓋が、切って落とされる―

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